怠け者の天国 | 謎のこうのとり 

日曜日、一歩も外に出ず、家の中でグダグダと過ごした私

  昨夜降った雨は、朝起きると、すっかりあがり小春日和の

  穏やかな1日だったというのに、だっ。



               

               ピーテル・ブリューゲル「怠け者の天国」
            
           

この絵をミュンヘンのアルテ・ピナコテークで見たのは、ちょうど1年前。

グランドフロアのネーデルランド絵画コーナーにある作品のひとつだ。



この絵の「怠け者の天国」では、不安や苦労は全く無縁だ。

菓子の屋根は、豊富で有り余ることを意味し、腹を突き刺された豚は

既に事は決められていることを表す。

食べかけの卵は精神性の不毛の象徴。

「大食や深酒は階層を問わず人々を夢中にさせ、

そして怠情に、無感動にさせる」という戒めの絵なのだ。



私は思うのだ。

毎日、ストレスの塊を心にため、重くなった心を引きずりながら

生きていくのはいかがなもんか?

時々なら、怠け者の天国に行って、たらふく美味しいものを食べて

不安や悩みなど全く感じず、絵の中の滑稽な人達のように寝転がるのだ。



たくさんしなければならないことがあったというのにダラダラと過ごした私の

言い訳に、ふさわしい絵だ。