おけち | 謎のこうのとり 

平均値となった悪玉コレの結果を片手に意気揚々と

主治医を訪ねた私。


待合の水槽をのぞくと、天国に召された魚が5匹。

演技でもないみたい、早く撤収してあげたらいいのにと

ブツブツ言いながら、診察を待っていた。


看護師 「謎のこうのとりさーん体重量って」  

 

私    「さっきタラフク食べたばっかりだし、

      便秘だし、服も鉄素材だし、減らして」


看護師 「だめっ」

私    「えっーむかっおけちだな」ふんっ。


この間は500g減らしてくれたのに、若い看護師は

なかなか厳しいずら。


主治医、「ぐだぐだ言わずに診察室に早く入りなさい」


私    「どうですか?悪玉コレ下がったでしょう」

 得意げに言う。


主治医 「薬のんでいたら、当たり前」


私    「先生も厳しいなー」


主治医 「中性脂肪かなり高いなぁ、油断しただろ?」

私    「してません。完璧、理想的な生活です」


主治医 「ちょっと油断したら、すぐ上がるのがトリグリ

       数字にでているからね」


私    「きっと遺伝です」


主治医 「この遺伝子は存在しない。『体質が似る』という」


私の心の声 「ほぼ同じ意味ずら」


主治医 「私なんか、中性脂肪400までいったことある」


私の心の声「医者のくせして、自慢かぁー、恥ずら」


主治医 「じゃ胃とコレの薬続けてのんでね、油断するなよぉ」


油断してないって。ふん


薬剤師のお兄さんに魚のことを報告。

  「あっ、ほんとだね。死んでるね」覇気のない声。

業者の方に連絡したほうがいいですよと言ったのに

 「いつか来るでしょう」覇気のない声。


病人は些細な事に敏感なのだ。

不吉な出来事はご法度なのだ。

シクシク痛む胃をさすりつつ独り言を言う私。








    「