石仏 | 謎のこうのとり 

京都の深草にある石峰寺


伊藤若冲が隠棲した寺

6年前の10月、息子とともに訪れた。

駅から歩いて6~8分、急に道が険しくなる。

息を切らしながら細い坂道を登っていくと

木立の中に赤い門がぽっかりと建っている。



本堂の背後の裏山は竹林になっている。

その竹林には伊藤若冲が下絵を描き

それを石仏にしたものが点在している。



これらは釈迦誕生から涅槃にいたるまでを

表す五百羅漢。

長い年月の間に

風雨に晒されたせいか苔むし、

欠けているものもあるが、

それなりに風情があり、一つ一つ見ていて

飽きがこない。



10月終わりだというのに、最後の力を振り絞った蚊が

たくさんいて、息子は早々に引き上げた。



3年後の冬に訪れたときは、枯葉を布団代わりに

した石仏たちが三年前と変わらない優しい顔で

迎えてくれた。