2002年5月17日 雨
この日は有給休暇をとり、朝一番の列車に乗って
1人京都へ行った。
京都に着いたのは11時過ぎ。
田舎から出てくるのは容易なことじゃない。
真っ先に向かったのは京都国立博物館。
「建仁寺展」、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を
観る。
ガラス越しに観た屏風に描かれている風神・雷神の
かわいいお顔に思わずニッコリ。
この後、養源院のほの暗い院内で
係りの方の説明を受けながら
俵屋宗達の杉戸絵・襖絵を観た。
そして、智積院では長谷川等伯・久蔵親子の
堂々たる楓図。桜図に圧倒される。
大正から昭和にかけて活躍した
河井寛次郎記念館は入り組んだ路地に
あった。
途中、コンビニの方に尋ねても
ご存知ないほど判りにくい場所に
普通の町屋と同じ風情で建っている。
3年後に再び訪ねたときは途中の道に
案内図が出来ていた。
どこか知人宅にお邪魔したかの
ような安堵感がある。
ほのかな灯りが優しい気持ちにさせてくれる。
いまだに主人を待っているような温かさがあった。
新緑が瑞々しい。
そして、この次の写真は3年後の冬
同じ場所で撮ったもの、四季折々の自然が
日々の暮らしに溶け込んでいる。
受付の方に河井氏の画集を見せてもらった。
また、部屋にさりげなく置いてある作品は
ごづごつ、どっしり、斬新な形、色彩
民芸の素朴さがにじみ出たものばかり。
「この家は雨の日が1番落ち着くんですよ」
と、静かに話された受付の方の声以外は
コチコチと規則正しい柱時計の音と
慎ましく降る雨音のみ。
ゆったり静かに時が過ぎていくひと時であった。
中学生だった息子へのお土産は好物の
鶴屋吉信の生菓子。
「味わって食べなさい」という言葉が終わらないうちに
ペロリ・・・・3個の菓子はあっという間になくなった。