贅沢のおすそわけ | 謎のこうのとり 

毎月、妹は「ミセス」か、「家庭画報」を買う。

本代は、母と折半。

妹が読み、母が読み、ついでに私も読ませてもらう。

そして、3人が読み終わったあとは妹の蔵書籠へ。


質の高い紙だなぁと、いつも思う。

本の重みもかなりあるので、テーブルの上で

一頁一頁丁寧に開いていく。

私の日常生活からかけ離れた世界が

この本にはギッシリ詰まっている。


最新流行の高価な服やため息がでるような

すばらしい宝石をちりばめたアクセサリー

生活感の全くないおしゃれなインテリアの部屋

名だたる作家の器に申し訳なさそうに

ちょこんと盛られた料理

最高の季節に訪れる観光地の景色。

目が飛び出るくらい高料金のホテル


これは、夢か幻か?

いやいや、現実にこういうものをハベラセテ

暮らしている方々がいるのだ。

市井の片隅で質素に暮らす私には

本の中だけの世界。


本を閉じると、現実の毎日が私のまわりを

静かに過ぎていくのだ。