今年の有馬記念。キーワードは「感動」でした。
優勝したのは武豊騎手のドウデュース。序盤は後方で折合いに専念。3コーナー手前で動き出し、4コーナーでは逃げるタイトルホルダーを射程圏内に入れる位置まで進出し、最後はスターズオンアースとの競り合いを制して1着でゴールしました。
思えば今年のドウデュースは苦難の連続。
京都記念で快勝し勇躍ドバイに向かいましたが、現地でドクターストップがかかってしまって出走が叶わず帰国。仕切り直しとなった天皇賞秋では別のレースで主戦の武騎手が負傷。その上レースでは折合いを欠いて7着、続くジャパンカップでも4着と国内でも連続で馬券圏内を外してしまい、すっかり主役の座から遠ざかっているようにも見えました。
そんな中から秋3戦目の有馬記念。負傷から戻ってきた武騎手と鮮やかな復活の勝利に感動しました。
松島オーナーは武豊騎手との抱擁一番乗り!
武豊と松島オーナー 感動した!!! pic.twitter.com/RIwdWFbAc4
— kaito (@kaito_0131_blue) December 24, 2023
オーナー「ダービーの時は声をかけるまでハグしてくれなかったからな」
オーナー「今回は先頭は譲らんぞ」
あまたいる武豊ファンの中でもっともお金を使っているであろう松島オーナー。
この人がいなかったら、武騎手のダービー6勝目も、この復活劇を見ることもできなかったわけで。
2着に入ったスターズオンアースのルメール騎手。
有馬記念では鬼門となっている大外枠からの発走でしたが、スタートを決めるといち早くタイトルホルダーの番手につけて極力ロスをなくす騎乗ぶり。押していっても折合いを欠くことなく接戦にもちこんだ手腕に痺れました。
3着はこれがラストランとなるタイトルホルダー。春の天皇賞では心房細動を起こすアクシデントに見舞われながら、ここまでよく復活してくれました。ドゥラメンテの後継種牡馬として活躍する子供をたくさん送り出してくださいね!
個人的に最も感動したのは5着に入った一昨年のダービー馬シャフリヤール。香港ヴァーズに出走予定だったのが主催者からストップがかかって急遽帰国・有馬記念に矛先を変更。中山競馬場での調整などハンデを抱えた中での出走でしたが、よく頑張ってくれたと思っています。
さて、僕はこれまで古馬になってGⅠを勝つダービー馬のことを「異能のダービー馬」と呼んでおりました。牡馬クラシックの中でダービーのみを勝った馬の多くがその後不振に陥っていたからです。
しかし、近年ではレイデオロが天皇賞秋を、シャフリヤールがドバイシーマクラシックを優勝し、そして今回ドウデュースの有馬記念。もはやダービー1冠馬だから悲惨な未来が待っているということにならない時代。今後はこの言葉を封印しようと思います。
馬券の方は散々でしたが、数年あとになって振り返った時に素晴らしいレースだった、と思わせてくれた今年の有馬記念でした!