近くにきたので、久々に根津美術館に行ってきました。
今回はこちら、文様のちから。
コロナのためWeb上での事前予約が推奨されていますが、突然思い立ったので予約できず直接受付に。運良く私が行った時間は余裕があり入れていただけました。
第一、第二展示室には桃山時代から江戸時代のきものがずらり。昨年の東博でのきもの展を思い出しました。
「文様から技法を探る」がテーマで、繰り返し模様、散らし模様、絵画的な模様…とそれぞれの文様ごとにグルーピングされています。
どれも素敵で見入りましたが、面白かったのは華やかな桃山時代の小袖。桃山時代の小袖の特徴は色替わりとよばれる写実にとらわれず唐突に色を変えるものや、渡し繡という裏に糸を通さない縫い方。摺箔も桃山時代に始まった技法です。
先日ぎをん齋藤さんの展示に伺った際、桃山時代をテーマとした作品作りをされていましたがまさに!その時教えていただいたような小袖の実物を見れて感動でした。
数百年前の着物がこんなに美しく残っていることに驚くと共に、現代の着物は今までの歴史を受け継いだものなんだなと実感しました。ぎをん齋藤の摺箔も欲しいな…(笑)物欲が止まりません。
もう一つ、「紫絽地御簾に猫草花模様単」も印象に残りました。
いわゆる御所解き模様の小袖なのですが、上部には平家物語から(どこの部分か忘れてしまいました…)、腰下には御簾と猫!若菜上の章です。
猫が遊んでいて御簾を引き上げてしまい、女三の宮が頭中将に顔を見られてしまう、というシーンです。
衽と後ろには御簾と猫が刺繍されています。猫は三毛猫です。
御簾や猫だけでなく、その周りには美しい糸目で松や雲が描かれています。眼福でした。今ではないかもしれないけど、御所解きの訪問着をいつか誂えようと思います。
着物以外にも青銅器や陶器、お茶道具など素敵なものをたくさん拝見できました。