着物を着始めた頃から憧れていた柄がありました…
桜です!!
着物の柄は先取りをしてその花が散る頃までに着るのがおしゃれ、とされています。例えば秋の象徴である紅葉は、9月ごろから紅葉が散る前の11月下旬ごろまで、というようにです。
着物の格のような明確なルールではないものの、やはり先取りした柄を身につけていらっしゃる方はかっこいいなと思うようになりました。
例外はあり、四季の草花が色々と入っているものや、蘭、竹、梅、菊の4つの草花を表す四君子といった柄は季なし(ときなし)と言って一年中着て問題ない柄となっています。
私も2枚目の訪問着は四季の花が色々入っているものを仕立てて重宝しています!
そして桜…桜はいろいろなご意見があるものの、先取りかつ散る前までとなると期間がとっても短いのです。
2月は桜には早すぎるし、3月半ばから4月頭くらいまで、その約2週間に着る着物なんて贅沢…!!と思ってました。
もし桜のものをもつなら、訪問着や付下げは着るシーンが限られるから小紋か染帯かな…となんとなく考えていたのですが出会ってしまったのです。
いつもの呉服屋さんに染匠さんがいらっしゃるとのことで、11月末に伺って色々見せて頂いていた中にあったこの染帯…あまりに素敵すぎて、すぐにこれを頂きます!!と申し上げました。
雪輪のなかに桜がいっぱいに描かれています。
なんとも言えない美しい地色です。
よく見ると桜の中心は濃い紺に近いようなグレーや、紫を挿しています。
地色に桜のピンクを持ってきて、桜自体は白や少しの差し色で写実的な色になっているのもグッときます。
個人的な好みで、桜の花弁はしゅっとしているよりふっくらしている方が好みなのですがまさに!!これです!!
もちろん手描きで、本当に繊細な糸糊目で惚れ惚れします。
前腹は同じく雪輪の桜と、
反対側には花弁が。
この花弁も金で縁取っているもの、先端に色をさしているもの、胡粉で白を出しているもの、それぞれ凝っていてかつ絶妙なバランスで配置されています。
いつも関東巻き(反時計回り?)なのですが、これは反対も練習しなければ…!
お茶のお稽古やお出かけに、たくさん着たいと思います。
春を待つ楽しみがまた増えました。