1 海外市場動向
 ほとんどの全国紙(Web版)が『NY株急反落、154ドル安』とNY市場の下落を見出しに掲げて不安感を伝えていますが、本文を読んでみると『米金融機関への影響は限定的との見方もあり、ダウ平均は売り一巡後に下げ幅を縮小した』とむしろ市場の底堅さを伝えており、評価は定まっていない模様です。まぁ、株式専門紙ではないので、ここら辺は中立的に事実を伝えていると読むのが妥当と考えますが、それだけに読みにくい相場展開と考えます。


 米国市場は通常より3時間短い短縮取引であったため、大きく下げたところは週末ということもあり、売り方の買い戻しが入ったと考えるのが妥当であり、『米金融機関への影響は限定的』との見方により下げ渋りを見せたのではなく、短期的な需給動向による買い戻しを理屈付けただけであると筆者は考えています。ちなみに、英国のFTSE 100 1分足5日を次に見るとおり、既に米国市場が始まる前から買い戻しが入っており、戻りは、前日の下げに対する半値近辺であり、米国市場の10,500ドル手前に相当する、週の大半を占めている5,400pの壁は厚く、「戻りは売り」となる可能性が高いと考えています。

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 筆者は、為替相場については特段の注意を払って監視してはいませんので、詳細にマーケットを点検することはできませんが、ごく一般的な見方からすると、今回の下落相場を仕掛けた筋は、アジア及び欧州市場でしか利益を上げておらず、最大のマーケットである米国市場は、休場の間に「行って来い」の動きをしただけで、ポジションは維持されたままと推測されることから、次は米国市場で大きく仕掛けてくるものと推測しています。


 また、11/25(木)の夜に「NYSEの日足チャートでは、俗に言う高値での「首つり線」が現れており、チャーチストの面目が保たれるか注目されます」とコメントしたように、「首つり線」の2営業日に下落しており、酒田罫線の観察眼と分析力を信じれば、ここは下落優勢と見るのが適当と判断しています。


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2 日本市場動向
(1) 週末までの動向
 週末金曜日の信用取組倍率は、筆者が監視しているいくつかの銘柄を見る限りは、改善している銘柄は散見されるものの、総じて昨日とほぼ同数か信用売りが増加している銘柄が多く見受けられ、総体的には、昨日の下落に週末要因が加わった利益確定の買い戻しと同時に、再度新規売りが加わったという感じで、漠然と感じた底打ち感のなさが信用倍率からも読み取れるものと考えます。


 なお、昨日の朝コメにて紹介したみずほFGと三菱UFJの11/26の信用取引内訳に昨日11/27の分を加えて見ると、以下のようになります。


みずほFG:11/26 貸株返済1149千株、融資返済1886千株
            貸株新規4605千株、融資新規1079千株
       11/27 貸株返済4563千株、融資返済3011千株
             貸株新規3490千株、融資新規2916千株


三菱UFJ: 11/26 貸株返済3224千株、融資返済 568千株
            貸株新規3232千株、融資新規2020千株
       11/27 貸株返済2617千株、融資返済 549千株
            貸株新規2538千株、融資新規1032千株


この結果を見てわかるように、売り方の買い戻しが活発化した一方で、新規売りも、みずほFGは弱含んだものの、三菱UFJは返済と同数の新規売りが見られます。また、注目していただきたいのは、みずほFGに高水準の融資返済(値動きからみてロスカットと推測されます)が見受けられますが、ほぼ同数の新規買いが同時に見られ、三菱UFJに至っては前日同様に、新規買いが融資返済を大幅に上回っており、買い方の回転が効かなかった場合、さらなる下押し要因となることが推測されます。


もちろん、他の指標や市場外での貸株取引などもあり、信用取組倍率や内訳が株価動向を左右するすべてではありませんが、今後の動向を推測する上で重要な判断材料の一つとなることから、個別銘柄を取引される投資家は、日々、このような数値にも目を通し、短期的な需給を把握することが必要と考えます。


(2) 今後の動向
 a 年内最大のイベント待ち
今後の相場動向予測についての基本観に変わりはありませんが、昨日の日経平均の大幅下落によって、若干の微調整が必要になったと考えています。昨日の夜コメでも触れましたが、日経平均は、指数的には程よい水準まで下落したため、いったんの反発が見込まれるため、今回の下落局面の最終仕上げとなるオーバーシュートは想定よりも、もう少し深くなるものと考えています。


この予測は、リスクマネーの暗躍により、再度の円高が襲い、世界金融不安が再燃するとの思惑及び日本市場の需給の悪化を前提にしていますので、日々、これらを多角的な角度から慎重に検証していく必要があると考えます。


下値の日頃については、年内一回転は誰もが考えていることと思われるため、カレンダーを睨んでの神経質な展開になるものと考えますが、昨日は、噂されていたT&Dホールディングスや小粒ながら宮崎銀行がファイナンスを発表し、そろそろ年内最大のイベントとなる見込みの三菱UFJFGのファイナンス発表の時期が近づいていると考えられ、静かにそのときを待つべきかと思います。


b 底値をドル建て日経平均で算出
日本市場の売買比率に占める海外投資家の割合が半数以上であることに着目した場合、海外投資家の立場から日本市場を見る必要があると考えられることから、ドル建て日経平均で下値を探るのが妥当と考えます。ドル建て日経平均(週足)では、円建て日経平均が不規則な波形を描いているのに対し、9月初旬の116.49ドルを天井に、きれいなジグザグの波動を描いています。


現在、天井から5波動目の下落波動の初動に位置しており、エリオット波動論に基づけば、修正A波の第5波と推測されます。第5波の下降を追ってみると、第1波と同様の長さと考えた場合、概ね100ドルの位置で底打ちと考えられ、この100ドルの位置は、7月初旬の上昇波の起点となった98ドルの抵抗ラインとほぼ一致しており、実現性が高いと考えます。つまり、底打ちは、ドル建て日経平均で100ドル近辺、98ドルまでのオーバーシュートが想定できます。


ドル円は、二番底で84円80銭、倍返しで82円80銭が想定され、これを円表示にした場合、

100ドル/8,480-8,280円
98ドル/8,310-8,114円
が想定算出されます。


c まとめ・筆者の予測
 長くなりましたので、結論のみ。現時点での短期的な底値の目安として、上記bは少し行きすぎであり、おそらく週初めのリバウンドの上限の倍返しとして、8,800円台。オーバーシュートで8,600円台を筆者は想定していますが、底値目処よりも、むしろ日柄。指数よりも個別銘柄の価格を重視すべきと考えています。また、筆者の予測に対するリスクシナリオが存在することも確かです。要は、相場という生き物を相手に決めつけは禁物で、日々、マーケットから送られてくる信号を的確に捉えることが大切と考えます。


明日は個別銘柄の目処について考察する予定です。

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