昨夜のNY市場で最も目を引いたのは、NY寄りつきの4時間ほど前から始まった原油先物の急落です。前日のNY寄り付き前の原油先物の急騰も怪しい動きだと思って見ましたが、こうも露骨に投機筋の動きを見せつけられると、資本主義の原則とはいえ、翻弄される一般投資家の自衛策は、雰囲気に惑わされない自らの相場観を築くこと以外になさそうです。
ご存じの方も多いと思いますが、原油先物市場は株式市場と比較してマーケットが小さいため、昨年の150ドル超えが記憶に新しいように、投機的マネーによって動かしやすい市場のようです。現行の通り、余剰資金をふんだんに抱えた投機筋は、原油で仕掛けて、株式市場で都合の良いポジションを取って整理することができるので、原油先物の動きを読む際には、そのことを頭に入れておいたほうが良いでしょう。
さて、注目の米雇用統計は、-19.0万人と予想値の-17.5万人には及びませんでしたが、前月の-26.3万人からは大きく改善と思いきや、前月の数値の確定値が-21.9万人 に修正されるという「おまけ」がつきました。よって、前月比は2.9万人の改善と、当初の8.8万人からは大きく後退しました。予想値の-17.5万人は、やはり少し飛ばしすぎと感じました。また、同時に発表された失業率は予想値の9.9%を超える10.2%と小幅ながらもさらに悪化し、雇用環境や景気回復力の弱さを印象づけました。
この結果を受けた原油先物はさらに2ドルも一気に下押しし、横ばいを続けてきた欧州市場も一斉に下を向いて走り始めました。
日本時間の23:30から始まったNY市場は、寄りつき直後こそ悪材料に押されたものの、その後は企業決算の好調さを材料に買いが勝り、プラスに転じるなど、売り方を苦しめる上昇となり、17.46ドル高の10,023.42ドルで取引を終えました。MSでは、まだ出来高が出てきていませんのでお伝えてせきませんが、どの程度だったのかが気になります。
いずれにせよ、下落ではなく上昇したことは、筆者にとっては意外ではありましたが、同時にいつものことが繰り返されるのだろう、との感触を抱いたのも事実です。売り方と買い方の馴れ合いのせめぎ合いの中、相場は強いのかも?と思わせられた一般投資家が高値をつかんでしまうと考えます。
というのも、以前から記しているとおり、比較的大きなトレンド発生の前の株価は、下へ行くかと思いきや上へ行き、上へ行くと思うと今度は下に行くといったふうに、なかなか粘り強い動き方をして一般投資家は惑わされることが常であるとコメントしてきましたが、まさに悪材料を未消化のまま1万ドルを挟んで強基調を続ける米国市場の動きがその典型であり、最後に取り残されるのは、残念なことに上昇を信じる一般投資家と、どこの国でも同じ構図が繰り返されるものと考えます。
米国の来週の主な経済指標は、木曜日の新規失業保険申請件数と金曜日の貿易収支と11月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値くらいと、材料の少ない週となります。大きなニュースが出れば別として、基本的にこのままの地合を引き継ぐことになりそうですが、上昇の持続性は疑問で、不安定な相場展開が続くものと考えます。
夜は、NYSEの出来高の確定値を踏まえ、今後の市場動向を再度考察してみたいと考えています。
夜に続く