昨夜のNY市場は、序盤こそ前日の反動で買われたものの、次第に失速し、NYSEが76.71ドル高の9,789.44ドル、ナスダックが4.09ドル高の2,049.20で引けました。
昨夜発表された10月ISM製造業景況指数が予想の53.0を上回る55.7と好調だっただけに、ここからの反騰を示唆するのであれば、チャート的には一時145.86ドル高の9858.59ドルまで上値を伸ばしたままの、前日の下げの半分以上は取り戻してほしかったと考えています。
昨夜のNYSEの76.71ドル高については、テクニカルリバウンドの範囲を出ず、出来高も15.45億株と比較的多いため、リバウンドを狙った買いが取り残された可能性もあり、、ナスダックの4.09ドル高については、弱いチャートを具現してしまい、売り方に勢いを増す理由を与えてしまった感があります。
筆者が日本株について、直近の高値である10/26につけた10,400円近くから600円の下落した現時点においても、株価は再度上昇し、高値をつけてから下落するとのメジャーシナリオを変えていない理由は、いくつかありますが、その中でも最も有力視しているのは、NYSE及びナスダックの騰落レシオ並びに原油先物価格、企業業績の好調さが伝えられる中での悪材料の材料視にあります。
NYSEの騰落レシオについては10月初旬の150近辺から一気に下降しましたが、90手前にて折り返し、現時点においては100近辺に位置しており、過去のチャート形状及び日柄から反騰時期に来ているとの予測が成り立ちます。ナスダックにおいても、同様の形状を成立させています。原油先物価格については、現時点において、明らかに上昇のトレンドラインが見て取れます。一巡した企業業績発表においては良好な発表が多くを占め、株価を引き上げましたが、ここに来て、米地方銀行の今年に入って100行の倒産(現時点では109行)や米商業金融大手CITグループの米連邦破産法11条の適用と、あまりにタイミングよく悪材料となるニュースが入り込むあたり、ちょっとした作為も感じます。CITグループについては筆者は不知ですが、米地方銀行の倒産については、何ヶ月前から既に前年を上回る最悪のペースで倒産が進んでいるとの報が流れていましたが、その際には特段材料視されておらず、押し目形成の絶好の材料にされた感があります。
もちろん、けっして米景気が回復基調に入ったとは思っておらず、政策支援による経済指標の好転であると指摘されていますが、失業率は右肩上がりに推移し、高水準が続いているものの、非農業部門雇用者数は2月のマイナス74.1万人を底に徐々にマイナス幅を縮め、9月はマイナス26.3万人まで縮小しています。また、ISM製造業景況指数も1月の35.6から景気の拡大と後退を示唆するといわれる50%ギリギリながらも昨夜の55.7へと大幅に改善しています。これらの指数の改善ぶりは、住宅着工件数や耐久財受注といった政策努力によってある程度コントロールできる種類の指数ではなく、少なくとも実態経済の回復が進捗していなければ改善させることは難しい類の数値であると考えています。したがって、本年3月の6,547.05ドルから反転したNYSEの株価の反騰も正当化できると考えています。
そして、ここからの判断が非常に難しいところではありますが、ここでは、かなり古典的な経験則である出来高にこだわるのですが、過去の週足や月足チャートを見る限り、筆者はまだNYの株価は天井を打っていないと考えています。テクニカルな分析です。
したがって、昨日の夜コメで記した騰落レシオからも、ここからの反転が期待できると考えます。
しかし、ここからが最重要点ですが、ここからの天井達成の上昇は、あくまでテクニカルな到達点であり、いったん、天井を形成した後は、もはや米政府に財政出動の余地は少なく、経済の回復基調がフェイクなものであったことが改めて懸念され、再び、下落していくことを予想しているのは、筆者が再三記しているメジャーシナリオのとおりです。
[サブシナリオの設定]
一方で、NYをチャートから見た場合、ここはもう一押しあってもおかしくない情勢が見て取れます。
メジャーシナリオは前述のとおりですが、サブシナリオとして、値幅については、そう大きくはないと考えられますが、もう一押ししてからの上昇を考えても良いと思います。目安としては、NYSEの騰落レシオが60-70と、あて10-20p程度下落したあたりと考えます。
米国のコピー相場である日本市場は、米国以上に値幅のある下落をする可能性もあります。現段階においては、筆者は弱気相場を支持していますが、もし、そこまで下落するならば、いったんは買っても良い水準に至るものと考えます。しかし、中長期に持続する買いではなく、あくまで売りの水準まで待っている間の買いとの割り切りが必要と考えます。
以上、サブシナリオを念頭に置きながら、今後のNYの指標や動きを注視していきます。
時間があれば、夜、サブシナリオにおいた日本株の予測についてコメントしたいと思います。
夜に続く