筆者の投資戦略については、タイトル下及びサイドバーに記してあり、いまさらの感もありますが、投資判断は毎日「見送り」ばかりで、いったいいつになったら動くんだ? いったい本当に利益を出すことができるのか? と怪訝に思っておられる方もいらっしゃるかと思い、もう少し具体的に記してみます。タイトルを「投資戦略」ではなく、「投資論」としたのは、かなりの部分で精神的な意味合いが強いと考えたからです。
さて、具体論です。
[調査・分析]
・要する時間は一日50分
市場調査や分析に費やしている時間は、通常、朝10分、夜40分の一日の計50分程度です。
朝は、米国を中心とした各種データのブックマークを順にクリックして、数値の変化を確かめます。もちろん、NY市場の値動きや出来高、主なニュースにも目を通します。以前にも記したとおり、時系列で必要なデータはエクセルにコピペします。これで、だいたい10分程度になります。
昼間は、ザラ場を見ることもなく、昼のニュースと携帯に送られてくる市場概況で「ああ、上がったか」とか「下がったか」と知るだけで、個別銘柄の値動きを見たりすることもありません。ザラ場を見ることができる環境にない、つまり本業があるということが理由の一つでもありますが、仮に株式投資が専業になったとしても、ザラ場を見ることはあまりないと考えます。
夜は、日本市場の指数や個別銘柄の動きやニュースサイトを見ていきます。筆者の調査・分析の心臓部と言っても良いところです。
市場全体の動きとしては、NK225指数の日中足、日足、一部市場の出来高、ストキャやMACD、騰落レシオなどのオシレーター系指標、証券会社等から送られてくるメールマガジンで、その他の指数や概況を確かめます。
個別銘柄は、今後、取引しそうな銘柄で、日経平均と連動して動く大型銘柄に的を絞って検証します。大型銘柄とするのは流動性の確保と余程のことがない限り派手な動きをしないだろうとの見込みからです。(ソフトバンクも一応、参考までに検証銘柄に入れていますが、今では過去の話と言え、ストップ高やストップ安の派手というか、トリッキーな動きをする印象が強いので取引の対象にはしていません。)銘柄数は7-8銘柄。点検項目は、日中足、日足、出来高、信用取組、ストキャやMACDなどのオシレーター系指標、銘柄関連ニュースなどです。7-8銘柄に絞っているのは、銘柄数を多くしても頭の中に入りきれず無駄に時間を要するだけで、それだけあればトレードには十分だからです。
時には見返したり、じっくりと考え込んだりして、一通り済ますと、だいたい40分くらいです。
夜の21:30頃から米国の経済指標が発表されますので、重要指標の発表は出来るだけ見るようにしています。米国が夏時間のときは、日本時間の22:30から市場が始まりますので、ながら見やチョイ見したりしますが、それだけのために夜更かしすることはありません。
これで終わりです。一日合計でも一時間足らずだと思います。毎日、ザラ場と格闘されている方には、「お前、相場をなめているのか」と思われるかもしれませんが、筆者にはこれで十分です。
・自分の相場観を持つ
一日50分の調査・分析で何をしているのかと言うと、米国市場の景気動向を判断し、米国市場のメジャートレンドを読み、日本市場と対比させるということです。日本市場が米国のコピー相場であることは、今更のことであり、説明は不要でしょう。米国の経済動向を探ることにこそ、日本市場の今後が見えてくるのだと考えています。ですから、米国経済の先行きと相場の方向性の同一性、乖離の検証が何より大切なことです。
そのためには、日々、上述した調査と分析がどうしても必要になってきます。
毎日、経済指標をみても、そんな経済分析なんてできないや、とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、まさにそのとおりです。そこには、ある一定の努力が必要なことは言うまでもありません。しかし、書店に行って、経済の棚を見ても相場との関連を記した書籍も見つかりませんし、株式の棚では、チャート分析などのテクニカルな書籍ばかりで、本当に投資家が知らなければならない経済のファンダメンタルを掴む書籍には出会ったことがありません。また、大学の経済学部を卒業した人が必ずしも相場の達人になるわけでもなく、また、経済学部の教授が相場で成功したという話も聞きません。まだ、金融担当大臣になる前の竹中さんが日曜日の午前のワイド番組に出演し、経済動向や株価の見通しについて論じていた時期がありましたが、その後、そのとおりになったという記憶もありません。
経済動向を判断する、しかもインターネットの普及により、機関投資家との情報格差は格段に縮まりましたが、それでも限られた情報から経済の行方をピタリと予測することは不可能なことです。
しかし、日々、これらの情報に接し、マーケットの動きを検証していると、「これは行き過ぎだぞ」とか「足りないぞ」とおぼろげながらわかってくることも事実です。それが現実的に正解かどうかは別にして、これを「相場観」と呼びます。自分ながらの相場観を持つことが大切だと考えます。
・株式投資に見送り三振はない
相場観が出来上がったら、実践に入る前に自分で一週間後、一ヵ月後の株価を予測してみます。予測どおりに動けばOK、動かなかったら、どこに読み違いがあったのか検証してみます。きっと、見つかるはずです。あるいは、一週間後の予測は外れたけれど、一ヵ月後の予測は当たったということもあります。短期的な見通しは読みにくいというか、なかなか読むことは難しく、占いのような側面もありますが、とにかく、検証を続けることです。
以前にも記したことですが、野球に例えて、難しい球、つまり判断が難しい相場には手を出す必要はまったくないのです。ど真ん中の直球のストレート、つまり、自分が確信を持って判断できるときだけエントリーすれば良いのです。野球の場合、3割バッターは首位打者になれますが、株式投資において、10回のうち、3回しか利益が出せず、あとの7回で損失を出していたら、確実に敗者になります。10回のうち全勝とはいかないまでも、7回か8回は利益を出すことは難しいことではありません。難しい球には手を出さず、打てそうな球だけ打てばよいのです。株式投資に見送り三振はありません。しかし、これには、ポジションを持たないという忍耐が必要です。
さて、筆者はエリオット理論にはあまり詳しくないのですが、一つの波動はいくつかの規則的な小波動で形成されるというものです。元首相の小泉さんは、日々の株価の動きについてコメントを求められ、「一喜一憂せず」との名言を残しましたが、株価は上下動を繰り返しながらも、メジャートレンドに回帰するものですから、日々の動きに囚われることなく、今、経済はどちらの方向に向かっているのか、という大局的な判断をするように心がけることが大切だと考えます。
[トレードの実際]
・トレードは3ヵ月に1回
日々、マーケットを分析し、メジャートレンドとの乖離を見つけ出す作業はとても困難なものです。その困難性の第一には、もちろん高度な判断力が必要なこともありますが、それ以上に「根気」が必要なことだと考えます。慎重なあまり、見送りが多いというのが、筆者の実感です。「しまった。やっぱり、あそこだったのか」と後で思うことが多いのです。しかし、追いかけることはしません。中途半端な位置ではトレードしない、それが筆者のリスク回避の主義だからです。
そんな筆者でも、経験上、3ヵ月に1回程度は「ここだ!」というポイントにめぐり合います。相場はいかにも行きすぎで、あるいは悲観に過ぎて、しかも、オシレーター系の指標が天、底を示している、という時です。
・本当の天、底は神にしかわからない
しかし、株価の天、底は神にしかわからない、といわれることも事実で、相場には「オーバーシュート」があり、そんなときは、オシレーター系の指標は上下に張り付いてしまうのです。テクニカルに頼りすぎて死ぬ、という言葉もあります。
したがって、エントリーのタイミングは出来るだけ引き付けて、「もうここで」というタイミングまで待ちます。
そしてエントリーです。筆者はポジションを持つ場合、4,000万円を100%として、だいたい70%-80%、つまり3,000万円から3,500万円程度までポジションを持つことにしています。信用取引です。
しかし、もちろん、一度に投入することはせず、2-3回に分けてエントリーします。一回目は30%程度エントリーします。
・ストップロスは明確に
そして、エントリーする前には必ずストップロスを決めます。つまり、いくらまでだったら損を許容するかという点です。そのときのポジションの自信度によって異なりますが、前回の利益の1/3程度の範囲内で決めていきます。そうすることによって、前回得た利益は3回のロスカットに用いることができ、まぁ、3回のうち、全敗することはないので、利益は保護されることになります。ストップロスは、一回のトレードで100万円から150万円程度、ポジションの3%-5%といったところでしょうか。思惑に反して、株価が逆の方向に動いてきたら、一回目のエントリーはロスカットします。しかし、あまりここでロスカットしたことはありません。
次のエントリーのタイミングは、MACDがシグナルを抜けたとき、あるいは、前日のNYから判断して抜けそうなとき、と筆者は決めています。ここで、30%-40%エントリーし、残りの10%-20%は予測どおりの動きとなり、確信が持てたとき、明らかなテクニカルリバウンドと思われる揺れ戻しを狙って追撃します。
もちろん、途中で、筆者の意に反して突然ポジションとは逆方向に走り出すことはあります。そんなときは迷わず、ロスカットします。今では、どこの証券会社でも逆指値注文ができるようになっており、自動的に執行してくれる(されてしまう)ので、ザラ場に立ち会う必要もありません。ロスカットはとても残念なことですが、精神的には、重圧から開放された安堵感があります。
・利益は最後まで追わない
筆者の場合、先に記したようにポジションは3,000万円から3,500万円程度ですので、仮に一番機会の多い80%の3,500万円の場合、10%の値動きで350万円(税引き後315万円)の利益が出ます。無論、利益確定のタイミングはエントリーと同じくさまざまな指標から判断しますが、エントリーの際と異なるのは、主としてMACDやストキャなどのオシレーター系の指標しか用いないという点です。数値だけを頼りにします。推測を交えると、どうしても自分のポジションに有利に考えがちになるため、数値だけで判断します。
15%程度動いたところで、そろそろ利益確定を考えることにしています。利益金額にして、525万円(税引き後470万円程度)になります。ここまでくれば、もう、いつ利益確定しても良いと考え、エグジットポイントを探します。できればギャップで始まる日がよいのですが、そううまくはいかないので、たいていの場合、500万円くらいを目処に、明日はもっと利益が出ると思っても、そこで利益確定します。
3ヵ月に一度、たいてい3-4週間のポジションということで、調査・分析に当てていた時間を合わせると、4ヵ月間の労働となりますが、それで500万円の利益が出れば、一ヶ月に換算して100万円以上の利益となり、もうそれ以上望むことはありません。現実的には、ポジションによりきりなので、一回のトレードで300万円-500万円程度の利益といったところでしょうか。
もちろん、利益確定した後で、「あと二日待てば、もう100万円儲かったのに・・・」と思うことは何度でもありますが、それを言っていたらきりがないので、終わったことは忘れることにしています。
サイドバーにもかきましたが、基本的に往復(ドテン売り、ドテン買い)は狙いません。往復を狙うあまり一方向のポジションに考えが固執してしまう危惧があるからです。
こんなふうにして、年に4回程度、トレードをしています。今年は、一月に比較的大きな利益をだしたため、慢心してストップロスを大きめにとったため、次の取引では半分近くの損失を出しましたが、その後、4-5月、8-9月のトレードは成功し、現時点で、退任される日本航空の西松社長の年収を超える収入を得ています。(探せばわかることですし、タイトルにもしましたので、明確にすると約1,000万円です)
[大切なこと]
筆者がもっとも大切だと思うことは、日々、短時間であってもマーケットに興味を持ち、値動き以外の事象に関心を持ち、世界がどのように動いているかを知ることだと考えています。
そして、ポジションを持たないことに不安感を抱かないことです。一つの買い場や売り場を逃しても、市場はずっと続いています。市場を注視し続ければ、きっとチャンスは巡ってきます。それまで、辛抱強く待ち続ける忍耐が勝利を呼び込むものだと考えています。
なお、筆者は、当ブログをそれほど長く続けていく気持ちはありません。早ければ半年、長くても一年で更新をやめるつもりでいます。基本的に、筆者は、投資時期や銘柄を提案して利益を上げる投資顧問ではありませんし、将来的に、そのような仕事をするつもりもありません。インターネットにより、多くの情報を得ることになった今、より多くの方に、人任せではない、自分で考え、行動する投資家になってほしいと思い、ブログを始めましたが、その期間としては半年から一年程度で十分なのではないかと考えている次第です。
ですから、自己流ではありますが、なぜそう判断しているのかといった考え方をお伝えする内容にしていきたいと考え、またそのような内容を記しているつもりです。
明日は、今後の相場展開予測についてコメントする予定です。