注目していたみずほFGは寄り付きこそ前日と同じく174円だったものの続落し、安値170円あって172円。下げ止まる気配が見えてきません。いったい何が起こっているのか調べてみたら、昨日の読売新聞朝刊にそれらしきことが詳細に書かれていました。
要約すると、日本航空の再建を策定している前原誠司国土交通相直轄の専門家チーム「JAL再生タスクフォース」がまとめた中間案では、2,500億円の債権放棄が盛り込まれているのだが、これに対し、主力取引金融機関が猛反発し、円満な着地は不可能になり、前原国交相は従来路線を白紙撤回とのこと。もし、タスクフォースの再建案が実施されたとすると、メガバンク各行の追加与信コストは150億~300億円に上ると予想されているとも同記事は伝えている。
四季報で見ると、日本航空の株主にはみずほFGと三菱東京UFJが1.2%で並んでいるが、この主力取引金融機関こそ、みずほFGだろう。予想される追加与信コストもみずほFGは数字の最大値、つまり300億円近くとなるのだろう。亀井のおっさんが突然言い出した、不良債権のモラトリアム(支払猶予)を民主党が拒否するかと思いきやあっさり受け入れているのも、この問題と密接につながっていると考えると納得がいく。
しかし、どちらにしても困るのはみずほFGである。亀井氏は、モラトリアムした債務は不良債権としての帳簿処理を行わなくても良いと耳触りのよいことを言ったりしているが、モラトリアム法案が成立すれば、いろいろと線を引くとしても対象は日本航空だけにとどまらないのである。線引きを厳しくすれば救われる企業は少なく実効性のないものになるであろうし、線引きを甘くすれば簿外処理だけで済む問題ではない。
筆者の記憶によれば、みずほFGはBIS基準がもっとも低いメガバンクである。と、すれば資本増強のためには増資が必至であるが、みずほFGは、この8月に公募増資を実施したばかりであり、6か月ルールにより、基本的に新たな公募増資はできないのである。まぁ、これは幹事社となった金融機関が認めれば可能であるらしいが、今ここで、また大型増資を行うことは常識的に考えにくい。
と、いうわけで日本航空と一体となってみすぼFGの株価は下がり続けていると考えられる。
しかし、みずほFGのようなNK225と逆行する下げ方は、持たれている方にとっては非常に苦しいものである。日足でみると、筆者がショート玉を買い戻した九月中旬には4億株かそれに近い出来高が196円から176円の間に並んでおり、その後、193円まで戻したのち、本日に至っている。筆者が買い戻した時点においても信用売り残はそう多くなく、出来高の大半は買い戻しというより、いわゆる値惚れで買った方だと思われます。この土日にも、日本航空の再建問題で新たな動きが出るとも言われていますが、みずほFGの憂鬱はそう簡単に片付くとは思えません。他山の石とすべきでしょう。「自己責任」という言葉はたったの四文字ですが、とても重いものです。
さて、タスクフォースが打ち出した日本航空の2,500億円の債権放棄については、何日も前から新聞紙上を賑わわせていたにもかかわらず、銀行株の下落と結び付けて考えることができなかったことは、本業ではないにしても株式投資に関わっている者として反省している次第です。
日本航空の再建問題に関し、西松社長が退任されるとの記事が3日ほど前にありましたが、たいへん残念な話です。西松社長は3年前に社長に就任し、再建に努力されてきており徐々に進んでいたと思われます。西松社長の有名な話として、年収は960万円と同社パイロットの平均年収1954万円の約半分、また部長級の年収より低く、東証1部上場企業の社長では最低レベルと言われている。専用車も廃止し、スケジュール上無理がある時や来客時以外は基本的に自宅から電車通勤をし、社員食堂での昼食を貫いているという方である。1か月ほど前、ある場所で西松社長をお見受けしましたが、このときも秘書も連れず一人で来ておられました。どこかの、というか米国の自動車会社幹部のように赤字を出しながらも自家用ジェット機に乗り、桁外れの年俸を得ている経営者とは一線を画している。ゆっくりなペースであったとしても西松社長であれば何年か後には再建が可能だったと思われるのですが、民主党政権になった故に社長を退任しなければならないということは日本航空にとっても不幸なことであると思うし、タスクフォースによって株価も半値近い100円になってしまった投資家にも同情を禁じ得ません。話は変わりますが、筆者の株式による年間利益は申し訳ないことに西松社長を上回っています。まぁ、一大企業の経営と株式投資というか市場分析とではダイナミズムも達成感も違うのでしょうが、心労は通じるものがあると考えるのは自己贔屓でしょうか。私も通勤は徒歩、昼は毎日300円未満の仕出し弁当と質素な生活を送っています。
下手な冗談はさておき、みずほFGの株価は短期的にはストキャから底値感が漂っており、今夜も夜間取引で買っておられる方がおられますが、そろそろ短期反発は期待できるかもしれませんが、MACDは下げ途中であり、深追いは禁物と考えています。まぁ、この辺は全体相場の分析と合わせて週末に持論を述べさせていただこうと考えています。
長くなりましたが、今朝、ABX指数http://www.markit.com/en/products/data/indices/structured-finance-indices/abx/abx-prices.page ?の上昇が本物かどうか検証の必要があると述べてきましたが、今日のニュースの中に米の7~9月期の住宅差し押さえ件数が、前年同期比22.5%増の93万7840件に上り、2005年の調査開始以来、四半期ベースで最多だったとの発表がありました。高失業率を背景に住宅購入者のローン返済が滞るケースが増え続けているそうです。9月単月は前月比4.1%減の34万3638件だったが、前年同月比では29.2%の大幅増。銀行や住宅金融会社が、米政府の要請に基づいて一時停止していた差し押さえを一部再開したことが影響しているということらしいです。
この記事だけで判断することは早計ですが、どうやらABX指数の上昇も官製の景気対策によるものであった可能性が高くなりました。日本でも、本日、来年度予算の概算要求が行われ、その中にエコポイントやエコカー減税の延長が盛り込まれなかったことで、「消費の腰折れを懸念する声が生まれています」とニュースキャスターが声高に喋っていました。来週は、火曜日に(米) 9月住宅着工件数、金曜日に9月中古住宅販売件数が発表されます。差し押さえ件数と同じ九月の数字ということで注目していきます。
差し押さえの一時停止もそうですが、官製の景気対策とは、瞬間的な有効性はありますが、景気の実態を変える力は乏しいのが現実です。タスクフォースの面々がどういう方々かは存じませんが、西松社長の続投の方が日本の未来にとっては良かったと思ってやみません。飛行機が一機も飛ばない長野空港はどうなるのでしょうか。着陸料の値下げで、現在でさえ赤字の地方空港はどうなるのでしょうか。民主党政権には、スローガンばかりでなく、早く全体像を見せてほしいものです。
さて、NK225は先週から上げ続けた週末とあって、こんなものでしょうね。
今夜は、昨夜のNYの大引け前30分の急伸は売り方の買い戻しだったのか、買い方の揺さぶりだったのか、「謎」が判明するのが楽しみではあります。GSが好決算を出したにもかかわらず材料出尽くしで下げるなど、さすがに上値は重くなっているようで、常識的にはじり安となると思いますが・・・。
投資判断は見送り。
長くなってすみません。
・・・今後の相場予測は明日に (予定)