好きなものをできるだけ

好きなものをできるだけ

好きなものについて好きなだけ好きなように書いてます。非常に気まぐれ。

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舞台「かむやらい」お疲れ様でした。

今まで気にもとめなかったことに気づかされた話を少ししようかなと思います。
またもや自分語り。

それは初日のロビーでの出来事。
本公演の円盤予約ができると、物販コーナーの隣に貼り紙がされていた。
なんと、3500円!(昨今の物価高にも関わらず、こんなに破格というか価格が崩壊しているのではないかと目を疑うような金額)。
初日はチケットも早割で、普段なら5000円のところ(これもおかしい)、この日は4600円。お財布にやさしすぎる。
1万円で、観劇して円盤を買っても、まだおつりがくる。
悩むことなく円盤の予約をすることに。予約はこちらでできるのかとお伺いすると、すぐに確認してくださり、申込用紙を取りに行ってくださいました。初日でお忙しいにも関わらず、ありがとうございました。

「観てないけど大丈夫ですか?」
あまりにも正論すぎて、申込用紙に記入しながら笑ってしまった。確かに。
見てない舞台の円盤を買うのはあまりにもリスキーすぎる。いいカモだと思われているかもしれない。
普段の私なら絶対にしない。
私は観劇が趣味ではあるが、頭が偏りすぎているため、あまり面白いと思える作品に出会ったことがない。見返すことがない円盤や、ましてつまらないと感じた作品はお金を出されても円盤なんかほしくはない。
破格とはいえ、判断材料がまるで存在しない状態で購入を決めた変なやつでしかない。でも私には確信があった。

「絶対に面白いって聞いたんで」

頭に浮かんだのは、珍しく幕が上がる前にあがった熱量のあるブログだ。
あのブログを読んで、こんなにも熱い思いでぶつかっている作品は面白いに決まっている。たとえ私が面白いと感じられなかったとしても、あの熱をもった彼の芝居を手元に残したいに決まっていた。
「ちなみにどなたから?」
「鈴木裕樹さんです」
「鈴木さん!ご知り合いですか?」
「いえ、ただのファンなんですけど……」
なんていう会話に続いて、あれよあれよという間にパンフレットも購入させていただいた(謎の鈴木さん誕生日クイズや出身地クイズを出題される展開に)。
(物販コーナーには山崎樹範さんもいらっしゃって、交響詩篇エウレカセブンのドミニクが大好きだった私は更に挙動不審になってしまったりもした。恥)

一幕が終わって、私は大興奮だった。正直、一幕の主だった出番は少ない。あらゆる楽器を操る姿、やかましくコミカルなお芝居、どれも私は目を細めて見ていた。生真面目な表現に「これこれ!」と感じていた。その楽しさの片隅には、昨年の舞台から気になってチケットをとってくださった方を心配する気持ちもあった。でも、二枚目を演じる彼を観ることができて、大満足だった。ここに価値があったと思った。
二幕が終わって、この舞台を観ることができてよかったと心の底から思った。品のない言葉かもしれないけれど、「おいしすぎる」のだ。作品の解釈や感想はTwitterに投げっぱなしにしてあるので、ここでは割愛させていただく。

初日が終わってから、私の中で舞台に関する感想が一気に湧き出てきた。
どれも登場人物に対する否定的な内容で、それは止まることはなかった。彼が演じる役について考えたくても、登場人物への怒りや自省がおさまらなかった。

そこでふと、今回のように書きなぐったふせったーの過去ログを見てみた。すると、言及しているほとんどの作品への感想はなかなかに怒りに満ち溢れたものが占めていた。
人間の感情を仮に喜怒哀楽の4つに分けたときに私の持つ感情は怒が最も強く、おそらく90%を占める。それは承知していた。
ではふせったーで言及している作品のことが嫌いなのかと言われたら、そうでもない。むしろ、興味深いと感じて印象に残っているものがほとんどだった。

ここまできて、鈴木裕樹という俳優は「必ず面白いものを見せてくれる」のだなと気がついた。
私は先に述べた通り、観劇など鑑賞を主とした趣味ではあるが、好き!と思える“作品”にはなかなか出会えない。年に1本あればかなりいいほうだ。
思い返せば、彼の出演していた舞台作品で“好き!”と思えるものは片手でも余るし、突き詰めれば1作しかない気がする。びっくり。
でも、苦痛になったことがほとんどない気がする。不思議。特定の人の作品を中心に見ているとどうしても出る作品の系統が肌に合わなくて、苦しい思いをすることがあった。それが彼において今までほとんどないような気がする。
作品を見ていないわけではなく、作品を見たうえで、作品に感情を抱いたうえで、いつも「観て良かった!」と思って劇場を後にしていたことに気がついた。
今回もそうだ。
絶対に彼が出なければ私はこの作品と出会えなかった。こんなにも感情を揺さぶられて、椅子を蹴り飛ばしたいくらい不快になったりマスクの下でニンマリとしたり大はしゃぎしたくなるくらいに楽しくなったりできる作品に出会うことはなかった。貴重な経験ができたと感じた。いつも面白い世界に連れて行ってくれるのが鈴木さんだ。

「この人のお芝居を見ていれば、必ず面白いものを見せてもらえる」
そう思わせてくれる、私にとって唯一の俳優が鈴木裕樹なのだと思った。
とある作品に、チケットを売るということはいい芝居をするという約束、という台詞がある。あまりピンときていなかったが、こういうことなのだろうと思う。この人を見ていれば、面白いものに出会える。
これからもきっと、興味深い世界に彼は連れて行ってくれるのだろう。最高だ。
ああ、こんな面白い人と同じ時代に生きることができて、私は幸せだなぁ。