日本文学を

ほぼ読んだことがないので

今年は日本文学に挑戦したいと思っていますキラキラ

 

そして

年明け早々

雪国に行ってきたので

その道中

『雪国』を読んでみました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『雪国』を読んだ方なら分かる通り

数行読んだところ

私はギョッとしてしまいましたあせる

 

あまりのエロティックな表現に

隣に座っていた息子に見つからないよう

こそこそと読んでしまいましたよアセアセ

 

これは

公の場所で

堂々と読む本ではないわ……汗

新幹線での移動だからと

ブックカバーをしてこなかったことを後悔しました……

 

 

雪国に向かう主人公は

雪国での過去の出来事を思い出し

艶めかしい思い出を回想します

 

その思い出は

指先に香として残り

彼は期待で胸を膨らませます

 

そんな中

車内の可愛らしい美少女が目に入ります

 

彼女を見つめる視線は

暗闇の中走る電車の窓越しのもの

観られている少女は

観られていることに全く気が付かず

男は少女を見つめ続けます……

 

変態でしょうか……驚き

 

やってることは少し怖いのですが

その描写は美しく

繊細で丁寧な描き方

 

その描写がイメージになると美しく

頭がボーっとなるほどの美しさ

 

段々と男の視線で少女を見つめてしまい

列車の振動

車窓の仄暗さの奥の雪

等間隔に見える灯り

少女の瞳と一瞬重なる灯り

それらが徐々に徐々に

読者をいつもとは違う世界に連れて行ってくれます

 

催眠術にかけられたように

美しく

幻想的な描写が終わると

男は雪国に到着しています

 

少女は

連れの男性とともに下車します

男も同じ駅で下車し

少女たちが見えなくなるまで見つめますが

その先には

女が男を待っています

 

 

男は雪国に何をしに来たのでしょうか

女に会いにきたのではないのです

 

男が来ると

女が現れるのです

 

雪国は

男にとっての逃げ場なのだと思うのです

 

ここでは

男は好きなことができます

 

男を咎める人はいません

責任を求められません

時の流れに身をまかせるだけ

自分のしたいようにするだけ

 

男は

疲れると雪国に来るようです

 

しかし

雪国には

そこで暮らしている生身の人間がいるのです

 

男ほど恵まれていなく

今を生きるだけで精一杯で

未来のことを考えられない人たちが

 

雪国で暮らす女は

自分と男の違いを分かっています

男の立場も分かっています

自分が男の世界に行けないことも理解しています

 

しかし

男が来るたびに

女は男のもとに行きます

そうやって

自分は男のもの

男は自分のものという

既成事実をつくっていきます

 

しかし

男は少女を見つけてしまいます

 

男の気持ちが女には注がれず

少女へとシフトしていく様が仄かに描かれます

 

女の悔しさ

プライド

やっぱりという絶望

 

それが

女の言動に現われます

 

男は

そのどれにも無反応です

 

女をないがしろにするでもなく

少女に走る訳でもありません

 

でも

徐々に徐々に

男の視線が

女から少女へと移っていくのです

 

男女の機微が切なく描かれ

閉ざされたような雪国の美しさと相まって

胸が苦しくなってしまいます

 

誰も口にしない言葉が

描写の中に描かれているようで

それぞれの切なさや虚しさが

空を切るように迫ってきます

 

あぁ

苦しい

これに出口はあるのだろうか

と思ったところのラスト

 

すごいカタルシスです

 

全てがハッキリと描かれていません

描写や行間から感じるそれが切ないのです

 

きっと

読む人によって

感じ方が違ってくると思います

 

これが日本文学なのかと

かなりの衝撃でした

 

 

雪国の評価は色々ですね

全く好きでない人もいるし

異世界ものとしてのエンターテインメントとして読む人もいます

 

私は

人間の心の動きを繊細に描いた

切ない物語だと思います

 

どうしようもない虚しさ

逃げられない運命

寄り添えない気持ちなど

生きているなら一度は経験があるような

人生の無常さを描いたものだと思います

 

とても心に残る読書となりました

 

あなたは『雪国』を

どう読みますか?

 

ぜひぜひ旅の途中で読んでみてください