戦車のアイデアは、誠に簡単です。キャタピラー(無限軌道)を付けて地面を走る車両(当時既に農業部門で使われていました)に、鉄の鎧と火器を付けるだけであります。このキャタピラーのお陰で、戦車(英語でタンク。これは単に「水槽」と言う意味に過ぎませんが、秘密保持のためにその名称が使われました)は、泥んこ道でも、砲弾の穴でも、溝を掘りました敵味方の中間地帯でも、何となく乗り越えて行き、鉄条網のような障害物をも踏み潰してしまいます。厚い鉄の装甲は敵の機関銃を跳ね除け、自分の砲で相手に容赦ない砲撃を加えます。
 戦車の出現は、自分の塹壕に籠もりきりでした味方の歩兵を、塹壕から引き出し、膠着状態を打ち破ることに成功しました。目覚ましい働き振りでした。その最初の活躍の日は、1917年のキャンブライ戦闘です。イギリスの3個師団に配備されました戦車数百台が突如姿を現し、普通は攻撃前に行われる大砲の一斉射撃もなしに、6個師団の歩兵部隊に支援されて、敵陣へ突っ込みました。戦果は驚くべきものでした。6日間も経たないうちに、ドイツ軍は4マイル(約6キロ)も退却しました。1915年初期に火蓋が切られました西部戦線での最も華々しい勝利でしたでしょう。しかしながら、戦車の技術的欠陥と歩兵の補充不足が災いし、更にドイツ軍の巧妙な反撃が功を奏し、イギリス軍はその後2、3週間で取りました陣地を奪い返されてしまいました。