デービット・スーシェの『名探偵ポワロ』

録画を10日に一回は観ているかも…

 

全13シリーズ(70話)

TV録画(ハードデスク)に20話程残して

あとはBDに保存してある

 

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削除した作品もある… (*ಠ_ಠ)

 

《スペイン櫃の秘密》

櫃に入り 小さく開けた丸い穴から

外を覗かせておいて…ウワッ( ゚д゚)

なんと陰惨な犯人…

作者の神経にかなり引いた…

 

《ナイルに死す》

犯人カップル…(꒪ཀ꒪)!

 

《オリエント急行の殺人》

デービット・スーシェ版は…

う~~~ん…もう見ない

 

ちなみに

ナイルとオリエントは 映画版はどちらも

超豪華俳優陣で面白かった

 

ついでに言うと…

ケネス・ブラナーのポワロは…

あの長い口髭 気になる…期待外れ

 

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カップルや夫婦が犯人という設定は

結構あって 嫌~な気分になる

 

《白昼の悪魔》

《愛国殺人》

《盗まれたロイヤル・ルビー》など…

 

だけどストーリーの構成が上手くて

展開も面白いので削除はしない

 

《白昼の悪魔》は犯人だとバレた時

ポワロに襲いかかって後味悪かったけど

ミス・レモンやヘイスティングス

ジャップ警部などとの絡みが楽しい

 

《二重の手がかり》

宝石泥棒・ロシアのロサコフ伯爵夫人

彼女は《ヘラクレスの難業》にも

犯人の母親として登場

こちらではカラッとしたキャラだったのに

ポワロと出会う 《二重の手がかり》では

異様にねっちり色っぽくて

ポワロとの中年カップルが気色悪…(꒪ཀ꒪)

 

削除!対象だけど

ミス・レモンとヘイスティングスがポワロが

恋煩いにかかったと思い込んで

二人で探偵始めるなど楽しい

 

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さて…

最近 面白くて…

よくできているなと思う作品の一つ

 

《五匹の子豚》

題名はマザーグース由来

内容とは関係なく 証人の5人を指すだけ 

 

黒澤明監督の「羅生門」的な展開

1人の侍が山中で殺され

検非違使の取り調べを受けた3人の

供述に食い違いが…

 

こちらは5人の供述…証言は概ね同じだけど

視点の違い 先入観などで微妙に異なり

真犯人は嘘ばかり…

 

5人から聞き取りを終えて…

ポワロの灰色の脳細胞はフル回転

理路整然と整理され

ポワロの

「こうだったはず劇場」が出来上がる

 

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ルーシー・クレイルは

21歳になった時

14年前に獄死した母親の

死の直前の手紙を 受け取った

 

遺産相続と共に

両親の死の真相を知らされたのだ

母キャロラインは手紙に

「私は無実」と書いてあった

 

ルーシーはポワロに調査を依頼する

 

お母さまが本当に真犯人であったと

分かってもいいのですか?と

確認するポワロに

真実が知りたい…

結果は受け入れると答える

 

彼女の父 アミアス・クレイルは

有名な画家で

母・キャロラインは夫を毒殺した罪で

絞首刑になっていた

 

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一家は当時

自然豊かな海辺の田園地帯で

幸せに暮らしていた

父と母 7才のルーシー 

母の妹・アンジェラ

アンジェラの家庭教師 ミス・ウイルアムズ

 

 

彼らの家がある入り江の反対側には

両親と幼馴染の兄弟が住んでいた

 

兄は薬草の研究をしており

弟は家を離れ都会で株式の仕事をしていた

父の親友である彼は久しぶりに帰省し

友の家に宿泊していた

 

そして…画家の父は

18歳の女の子・エルサをモデルに

肖像画を制作中だった

美貌のエルサは画家を虜にし

夫婦の間は揺らぎ 

家庭内はぎくしゃくしていた

 

父・アミアスは

いつものように…

エルサと男女関係になり

母は心を痛めながらも 我慢していた

 

アンジェラは右目を失明しており

それは 姉のキャロラインのせいだった

昔 ヨチヨチ歩きの妹に嫉妬して

文鎮を投げつけたのだ…

 

キャロラインは

それ以来 罪の意識を引きずっていて

アンジェラを可愛がり 甘やかしていた

 

夫・アミアスはアンジェラに嫉妬し

アンジェラといつもいがみ合い

ケンカばかりしていた

 

 

ある日…

モデルのエルサは

画家と愛しあっていると思い込み

"私たち結婚するの"と皆の前で言い放つ

 

夫と女の関係に我慢の限界だった母…

その場を毅然とやり過ごしたものの

 

その後 夫に向かって

いつかあなたを殺すかも!…

彼女と別れなければ殺す!…

と口走り…

皆がそれを耳にした

 

 

そして… 父は毒殺された

 

 

警察がやってくる前に

母は妹と娘を遠くカナダの親戚に預け

そして…獄に繋がれた

 

 

月日が流れ…7歳の娘は21才になった

刑死直前に母が書いた「私は無実」

という手紙を 読むことになった

 

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ポワロは当時の新聞記事に目を通し

弁護人や当時の関係者5人に

順次会い 話を聞いてゆく

 

弟:フィリップ・ブレイク(父の親友)

兄:メレディス・ブレイク

モデル:エルサ・グリアー

家庭教師:ミス・ウイルアムズ

最後にアンジェラ

 

弁護士もこの5人も其々の立場から

キャロラインが真犯人と確信しきっていた

 

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各人は問われるまま…記憶を辿る

彼らの記憶は立場や状況で微妙な

違いがあった

思い違いとか  勘違いとか…


けれどもとんでもなく違うことはなかった

母・キャロラインが犯人という

状況証拠は疑いようがなかった

 

だが…

ポワロは家庭教師

ミス・ウイルアムズの告白に

重大な事実があることに気が付いた

 

彼女は言う

"奥様はとても立派な方でした

その忍耐強さ 自制心 

毅然とした振る舞いに感心していました

私は常に奥様の味方でした

でも犯人であることは

疑いようがありません


聞かれなかったから

敢えて言わなかったけど……

私は見てしまったのです❗

 

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父・アミアスは絵画を制作中の

ウォーターガーディンで死んでいた

 

エルサはランチで家に戻っており

昼食は要らないと言った夫の為に

キャロラインはコーヒーを届けに行き

夫が死んでいるのを発見した

毒殺!?

 

アンジェラの用でビーチの方へ行きかけた

家庭教師・ミス・ウイルアムズに

医者を呼んで❗と叫ぶ


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家庭教師は家へ走った

でも 途中 隣人メレディスと会ったので


彼に医者を呼んで!と頼み

自分は奥様を支えようと現場に引き返した


ところが…と 彼女は言う

奥様はとても慌てており

ビールの残りをデッキから海に捨てたり

指紋を拭き取り

夫の指紋をつけたりしていた

 

……………………………………………………

ポワロは…気が付いた

なんと重大な証拠!!

 

家庭教師は事件当時 

このことを証言しなかった


これは証拠隠滅を図っているのだ!

犯人だと確信した

敢えて言えば

犯人であることを更に裏付けることになる…

 

彼女は言う……

聞かれなかったから言いませんでした

(黙っていたことは)

罪を犯したとは思いますが…

 

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おお!!…

それこそが

彼女が犯人ではないという証拠だった

なぜなら 毒はビール瓶には入っておらず

グラスに入れられていたのだから

 

……………………………………………………

 

ではなぜ…

母は証拠隠滅を図ったのか?…

 彼女は妹が犯人だと確信したのだ

 

 

何故 妹が犯人と思い込んだのか?…

 

ビールを取りに来たキャロラインは

アンジェラが倉庫からビールを持ち出して

きたところに出くわした…

 

ビール運びを手伝おうと

ミス・ウイルアムズも一緒だった

 

アンジェラは前の晩

アミアスと大喧嘩をして

怒って文鎮をアミアスに投げつけていた

 

夫の元へ届けたビールは

あの時 アンジェラが持っていたもの

 

夫に悪戯を目論んでいるにちがいない…

そう思った姉は

その瓶ビールを取り上げた

アンジェラが…なにか仕込んだにちがいない…

 

…………………………………………………

 

ポワロの推理劇場…

 

アミアスは妻のもって来たビールを飲みながら

今日はなんか味がおかしい…と顔をしかめる

 

この時 既にアミアスは毒入りビールを

飲んでいたので

キャロラインが後から持ってきたビールも

変な味がしたのだろう…と


………………………………………………

 

キャロラインはメレディスの薬草研究室から

毒薬を盗んでいた

自殺するつもりで…

 

 

一緒に屋外ランチを楽しんだ後

みんなを研究室に案内したメレディス

 

毒ニンジンの花から抽出した毒薬の 

コニインの説明をした

ソクラテスが飲んだ毒だよ…

 

メレディスはその後 

このコニインの瓶が空になっていることに

気がついた

 

そして 殺したい!と

口走っていたキャロラインを疑う

彼女が盗んのか?…

 

皆が部屋を出た後

最後まで毒薬の棚の前に居て…

声をかけられ 最後に出た…

あの時?…

 

(事実 夫人はその時…

   その毒薬を香水の瓶に移し替えていた)

 

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警察の調べで 

夫人の部屋からその毒薬が見つり

夫人は犯行を否定し

自殺するつもりだったと言ったけれど

殺したいと口にしたり…

状況証拠は決定的だった

 

………………………………………

 

真犯人は誰?

 

ポワロはこの薬草研究室での

各自の立ち位置を確かめ

更に外へ出た順を確認する

 

キャロラインが劇薬を盗むところを

目撃できる場所にいた人物は誰?…

それはモデルのエルサ・グリアー

 

ポワロは推理する

 

夫人が毒を盗み隠し持っているのを

知るのは彼女のみ…

 

 

だが何故 結婚宣言していたのに

殺したのか?

 

ルーシーの両親は

仲が良く 愛し合っている夫婦

ただ 夫が女性関係がルーズで

妻は忍耐を強いられていた

 

今回は…もう耐えられない

キャロラインが事態を深刻に受け止めている

ことに気づいたアミアス

 

毒薬・コニインを盗んだ翌朝…

夫は夫婦関係を修復するため

妻に気持ちを告げた

 

”僕にとって女は君だけ…

彼女は僕にとってナッシング…ゼロだ

最初はグラッと来たがもう熱が冷めた 

終わったんだ…

彼女は子供…

その場逃れの嘘だった…

絵を仕上げるまでの関係

彼女のことはそれだけ…”

 

 

なんと!!…

エルサ・グリアーが…

窓外のデッキで

この夫婦の会話を聞いてしまった


画家が自分に本気だと思い込んでいたのに

怒りが湧いた

彼は私をだましていた!…

そして…彼女は私を哀れんだわ!…

 

 

エルサが自分たちの会話を聞いていたとは

知らないアミアスはデッキのエルサに

声をかける

仕事に掛かろう!

 

エルサは

「着替えて来るわ」と家の中に入ると

 

夫人の部屋に忍び込み

タンスの中から香水瓶を見つけ出し

別の容器に取ると何食わぬ顔で

ウォーターガーデンへ

 

夫人がビールを届ける前

グラスに注いだビールの中に

こっそりと毒をスポイドで垂らした

 

そして ランチで家に戻る時

道でそのスポイドを踏み潰した

 

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聞き取りした内容から

ポワロのきっと…ゼッタイ…こうだった

状況が導き出された

 

 

ポワロは 同時の屋敷に関係者を集め

調査結果で分かった真相を語る

 

 

真犯人はあなたです!!…

エルサ・グリアーに告げる

 

室内に衝撃が走る!

 

エルサは言い逃れはしたものの

観念したように


そうよ!

 

騙されていた!

私は本気だった!

私も…あの時死んだのよ…

 

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ポワロは言う

物的証拠はない

状況証拠だけ…


だけど

死後特赦が与えられるよう

当局に働きかける

この結論を必要な人々に伝える

あなたをどうするかは彼らが決めること

 

 

依頼人・ルーシー・クレイルは

エルサ・グリアーに銃を向ける

 

 

裁きはきっと行われます!!

撃ったら負け…

ポワロが説得する

 

 

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もし家庭教師が

毒はグラスの中にあったということを知り

現場で見たことを警察に話していたら…

母は犯人ではないとあの時分かったはず

 

でも…

何故 指紋を拭き取ったのか…

犯人を庇おうとしたのでは?…

誰を庇ったのか…

ここが焦点になり…

 

家庭教師が見たことを話さなかったことは

結果的に母の願い通り

アンジェラを取り調べから守ることになった

 

母は毒を盗んだことを

どれほど悔やんだことだろう

 

あのビールを取り上げ

夫に渡してきた…

あのビールを飲んで夫は死んだ…

 

姉は妹を部外者にすべく

急いで遠くへやった…

 

ポワロは最後に妹アンジェラに会い

キャロラインが妹にも

手紙を出していたことを知った

 

………………………………………………


”可愛いアンジェラ…心配しないで

 何もかも大丈夫よ…

 

 何もかもこれでいいの…

 本当にこれでいいの…”

 

 

キャロラインは

妹に障害を負わせたことについて

ついに償うチャンスを得た…

 

事件の前日

夫と言い争った妹が文鎮を投げつけた時

あの忌まわしい思い出が鮮明に蘇った

 

死んだ夫を見た時

アンジェラに違いない…瞬間的に思った

 

だが実際は

姉に見つかった時

アンジェラは 薬草研究室から

猫の好物 ヴァレリアンを盗んでおり

義兄のビールに仕込もうとしていただけ

悪戯で…

 

 

妹が犯した罪を自分が被ることに

彼女は心の平安を見出した

 

”私は今 幸せ…

 これまでに感じたことがない程

 安らかです…”

 

ポワロにはその言葉の意味が分かった

こうして…

ポワロによって真実が明らかにされた

 

……………………………………

 

アガサ・クリスティの

一番好きな作品を1つあげるとしたら

《もの言えぬ証人》


それはあのワンちゃん

いろいろとヒントをくれたボブ君…

階段からボールを落としては

拾いに走る…可愛い~₍ᐢ⑅•ᴗ•⑅ᐢ₎♡

 

 

 

《5匹の子豚》も好きな作品に入る