窓から空を見上げて…⑥ | ☆ココロの星屑たち☆

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喜びと悲しみとひとカケラの幸せ。。。AKKOの呟きブログです。
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安曇野にて。カトマンズのカレー。ナイフとフォーク桜おいしかったですラブラブ

横浜での精神科病棟入院の備忘録です。

 

関心のない方はスルーしてくださいね。🙇

↑↑前回のつづきです。クローバー

デイルームに集まるメンバーはだいたい決まっていた。

 

車椅子のO君と統合失調症のS君。同じく車椅子のYちゃん、摂食障害のTちゃん。たまにE君。

 

E君は父親が日揮の社員で兄弟は皆〇〇省に勤めているようなエリート一家。

 

先日の外泊中強い薬の副作用がでたそうで、

 

「とにかくジッとしていられないんです」「鎌倉から夜通し歩きましたよぐすん

 

「何キロ歩いたかな~?」

 

アカシジアのことをはじめて聞いた。

摂食障害のTちゃんはどうしても病院のご飯が食べられない。

 

たまに売店で買ってきたアイスをちょっぴりかじるだけ。

 

体も折れそうなくらい細い。

 

ある日飲んでいるお薬を手の平にのせてみせてくれた。

 

Tちゃんのか細い手にぎっしりのお薬。

 

私「こんなにたくさん飲むの!?びっくり


「はい…ニコ

 

Tちゃん1錠ずつ指でつまんでゆっくりお水で流し込む。

 

「お薬でお腹いっぱいになっちゃうね」と言うと苦笑いしていた。

私も当時はたくさんの量の薬を処方されていた。

朝晩に抗鬱剤のデプロメール頓服薬にソラナックスにレキソタンにリントン。レボトミンにコントミン。3種類ほどの睡眠薬に不眠時の頓服。

ベゲタミンの副作用はトラウマです汗


週に一度の主治医ゆっきーの回診。

 

「調子はどうですか?」

「あまり変わらないです」

「眠れてる?」

「なんとか眠れています」

 

不愛想でとっつきにくいので嫌う患者が多かったけれど私はゆっきーが好きだった。

 

季節は夏。晴れ

 

病院から徒歩15分の場所に大型スーパーがあり外出届を出して私たちはよく買い物へ出かけた。

 

O君S君はコーラやスナック菓子を大量に買い込み、

 

女子はフードコートでお茶したりアイスを食べたり。

 

入院生活の中で唯一楽しいひととき。

週末には旦那と娘が面会へ来てくれた。

 

翌年は娘の入学を控え地元の養護学校への入学を決めていた。

いつものように夜デイルームでくつろいでいると急にボヤキ出したO君。

 

「俺はさ独り身なのよ寂しいのよ」

 

「俺だってそうだよ」S君が答える。

 

ふとこちらへ目をむけるO君。

 

「AKKOさんはいいよな~優しい旦那さんがいてさ~」

 

「そんな指輪なんか捨てっちまえよ」

 

何だかからんでくるO君。

 

「お前どうしたの?」S君が牽制する。

 

その後も続けてからんでくるO君にS君が怒り「お前なんなんだよ!!

 

デイルームが険悪な雰囲気になったのでお部屋へ帰ることにした。

部屋へ戻る一瞬前にO君の小さな呟きが耳に届いた。

 

「マナちゃんなんか売り飛ばしちゃえばいいのに」

部屋へ戻ってO君にいわれた言葉を何度も反芻した。


涙がぽろぽろ零れた。

 

怒りよりも悲しさでいっぱいで。

 

翌日部屋にこもっていると心配したS君が訪ねてくれた。

 

「もう奴とは絶好だよ!!

 

温厚なS君が怒っていた。

 

私「マリオに相談しようかな?」

マリオとは病棟の責任者のこと。スーパーマリオにそっくりなのでみんなからマリオと呼ばれていた。

そっくり。笑い泣き

ナースステーションへいきマリオと話したいと伝えると翌日話しの場を設けてくれた。

 

結論からいうとO君は患者の治療の妨げになるとの事で別病棟へ移動になった。


ホッとした私。


以前からО君から"何もしないから抱き締めさせてほしい"と言われた事が幾度もあった。


モヤモヤは残るけどこの一件はこれで終わった。

病棟1の美形モテ男子G君と付き合っていたS子ちゃん。

 

「あれからどうなった?」聞くと、「ぶじにアレが来ました!!爆  笑」ホッとした顔。

 

「よかったね~!!

 

「はい。もうG君はこりごりです」

 

そして「私、来週退院になりました爆  笑

 

「ほんとに?すごいね!!

 

Sちゃんとは家も近いので退院したらお茶の約束をした。コーヒー

朝6時30分に起床。9時からPTと午後は院内ウォーキングと規則的な毎日にだいぶ慣れたある日。

 

車椅子のYちゃんが困っていた。

 

「洋服がないんです…汗

 

「いま着てるもの以外なにもなくて」

 

「ご家族にお願いとかはできないの?」

 

「……」

 

数年前自殺未遂をしたYちゃんは後遺症が残り車椅子の生活。

 

家族とは折り合いが悪く面会へくる人はいない。

こうした人はYちゃんの他に病棟内に数人いた。

 

小学校の教諭をしていたRさんもそのひとり。

 

自殺未遂から後遺症が残り長い入院生活へ。

 

愛する子どもたちにも会うことは叶わずご主人からは一方的な離婚通知。

 

「私がこうなっちゃったからね…」と引きずる足を指さすRさん。

 

「いつか地域の子どもたちを集めて塾を開きたいわ」目を細めていた優しいRさん。

お元気でいらっしゃるかな?といまも時折おもいだします。🙏

Yちゃんは病院のワーカーさんに相談して売店で服を買うことができました。

病棟内それぞれの人生模様。

そんな頃主治医ゆっきーよりそろそろ退院しますか?とお話がキラキラ

次回で最終話です🌻