もともと、クリケに入るといってましたよね。でもコロナ禍でカナダに入国できないので、スイスのシャンベリーを練習拠点にした、というかんじでした。SPも本当はカナダでつくるつもりだったのが、できなかったので、急遽、リショーにつくってもらったらしいです。

 

結局、どうするんだろう、とは思ってました。

 

ちょっとひっかかるところは二つありました。ただ、どちらも合理化してしまって、シャンベリー継続のはず、なんて思ってしまってたんです。

 

まずは新FSとグランプリシリーズの割り当てです。紀平ちゃんの今季のがGPSはスケカナとNHK杯です。NHK杯はもう大会からのご指名でしょう。で、気になったのは、なぜフランス国際じゃなくてスケカナなのだ?という点でした。スイスのシャンベリーからなら、フランス国際のほうが絶対に楽でしょ?でも、これも本人の志望しないところにISUが割り当てたのかも、そう、それにちがいない、と片付けていました。今となっては、スケカナは本人の希望だった可能性ありますね。

 

もう一つはFSの振付師。シャンベリーにいるつもりなら、ランビエールじゃなくて、デイビッド・ウィルソンに依頼したのはなぜだろうって思われませんでした?シャンベリーの生徒はたいがいは一曲はランビエールが振付して、もう一曲は別の振付師が担当するパターンをふみます。シャンベリーに加わる前にプロが完成していた場合は別ですよ。でも紀平ちゃんは今年ははじめからシャンベリーでしたからね。SPのリショーは継続でした。ではFSはランビエールでしょ、と思ってみたら、どうもランビエールっぽくない。あらためてはいってきた情報ではデイビッド・ウィルソンで、それならああ、なるほど、というかんじ。でもなぜランビエールの振付にしなかったの?わざわざリモートで振付してもらうより、直に振付してもらったほうが楽じゃないの?そういう疑問はわきました。

 

これも自分で合理化してしまったのです。ランビエールはタイタニックの振付なら自分がやるよりデイビッドのほうがいいと勧めたってこと?なんて想像したりして。それならあるのか、とか(笑)そもそも、ランビエールとタイタニックを結びつけるのは少々むずかしかったのです。昌磨君のボレロとかマイケル・ジャクソンはランビの振付でも不思議じゃないですよね?一方、デイビッド・ウィルソンが過去にタイタニックを振り付けたことがあるかどうかは今思い出せませんが、デイビッドならありえる曲です。

 

スイス?と想定される光景をバックにした写真を紀平ちゃんが一週間ほど前に投稿していました。

 

 

だから今はシャンベリーなんだろう、もうずっとシャンベリーにいることになったのだろうと思ってました。だけど、カナダに入国できるとわかったとたんに動きましたね。

 

今となっては、これが元々の規定の路線だったんでしょう。それならGPSの割り当ても振付師の件も納得じゃないですか。カナダにいける機会がおとずれたらクリケにはいる、そういう事態にならなければシャンベリーで面倒をみる、みたいな約束をランビやクリケとかわしていたのじゃないでしょうか。

 

ランビのところとクリケは友好的な関係です。ジスランはコロナ前はシャンベリーで定期的にジャンプを教えにいってましたし、昌磨君の振付のブラッシュアップのため、デイビッド・ウィルソンは欧州にいってランビと共におしえたみたいですし、クリケに訪れて羽生君の通しをみたランビエールがコメントを求められたこともありました。

 

それにしても北京オリンピックまで半年を切った中で、初心貫徹してシャンベリーからクリケにうつるメリットがあると紀平ちゃんはかんがえたということですよね。

 

一つは4Sなどジャンプの改善/安定化でしょう。もちろんランビは教えられるはずですが、ジャンプ専門のコーチのほうが更に望ましいということかな。もともとジスランは濱田先生のところでも臨時コーチやってましたし。

 

もう一つは戦略でしょうか。過去と将来はともかくとして、現時点でシングルで勝てる戦略を考え出して実行できているのって、エテリとオーサーぐらいですから。アルトゥニアンはネイサン以外に勝てる選手は生み出せていません。それもISUジャッジの妙な動きを利用してのことなので。紀平ちゃんとしては北京でメダル、できれば一番いい色をねらいたいでしょう。それを阻む一番の難敵はおそらくエテリ組の選手。勝利の可能性があるとしたら、というふうに考えたのじゃないでしょうか。濱田先生とは継続ですから、このクリケ入りは濱田先生のアイデアもはいっているのかなあ???

 

あともう一つ考えられるのは、身体のケアがカナダのほうが有利かもしれないという点。高志郎君がケガをしたときにランビがカナダにつれていきましたよね?かつて自分もカナダの医者にかかって現役復帰したから、ということだったようですが。もうよくなっていると思いたいですが、紀平ちゃんは今年のWCではケガもあって思った演技ができませんでした。その後もセーブしていた様子はあって、DOIのときには各選手の紹介のときも、ジャンプはとばず、スパイラルにしていました。どこまでなおっているんだろう、とひやひやしながらみましたが、まだ影響があるのか?というかんじでした。

 

ともあれ、初心を貫いたようなかんじになりました。あとは健康に気をつけて、万全の状態で北京に挑めますように。