結果 https://lamp.skatecanada.ca/results/2018ACI/CAT001RS.HTM
詳細結果 https://lamp.skatecanada.ca/results/2018ACI/SEG002.HTM
プロトコル https://lamp.skatecanada.ca/results/2018ACI/CSCAN2018_Men_FS_Scores.pdf

2    ジュンファン・チャ Junhwan CHA    KOR    
259.78   SP 2 FS 1  169.22 (87.62 81.60)

 

 

4T 4S<(SO) 3Lz+3Lo StSq FCSp3 ChSq1 3A+2T 3A 3F+1Eu+3S<(SO) 3Lo CCoSp4 CSSp4

ロミオとジュリエットって毎年必ずみる演目です。今年も記憶に残っているだけでもこれで4つ目。

コストルナヤ(すてきなジュリエットですが曲構成はとても不思議世界。今年のグレイヘンガウスってこんなのが多い)

ハベドノ(Kissing Youが主体。なにせあの長身カップルが演じるのは10代の恋物語のような気はしません。でも、ロミジュリを忘れ去ってみるとけっこう面白いです)

テネル(去年のシンデレラみたいにふつうにやるのかと思ったら、出だしからリショープロとわかる振りになっていて、面白く見ました)

各振付師、なんとか新しいロミジュリをやろうとしているようです。

 

このジュンファン君のロミジュリもなんとも個性的にはじまりました。曲はアームストロング版(デュカプリオが演じた映画)のロミジュリでよく聞くやつです。O Verona。ところがですね、映画の台詞入りのものをそのまま使ってしまったんです。びっくりしました。ジュンファンが閉じていた腕をぱっとひらくと同時に、「Two households」という台詞がはじまるのですから。

これ、シェイクスピアのロミオとジュリエットの下のプロローグです。

Two households, both alike in dignity,
In fair Verona, where we lay our scene,
From ancient grudge break to new mutiny,
Where civil blood makes civil hands unclean.
From forth the fatal loins of these two foes
A pair of star-cross'd lovers take their life;

和訳はhttps://www.aozora.gr.jp/cards/000264/files/42773_39853.htmlに坪内逍遙訳が出てます。古い言葉つかっていて、読み仮名いっぱいふってあります。

この物語を演じますよ、っていうのを宣言しているみたいなものです。このO Veronaはほぼ毎年のようにかかるので、なじみの曲ですが、台詞入りははじめてじゃないでしょうか。この台詞部分とのこるO Veronaのところが、ジャンプの部分でした。

4T成功させるのはじめてみました。いいジャンプだったと思います。シニアになってから投入したジャンプです。去年のスケカナのときは回転不足、オリンピックでは回避したジャンプです。

ジュニア時代から跳んでいた4Sはステップアウトです。回転不足判定つきましたが、まわりきっているんじゃないかな。着地すると同時にはじかれたみたいにステップアウトしてるので回転不足判定になってしまったような気がします。ジャッジによるのだけど、この試合ではステップアウト=回転不足みたいな判定になっているかもしれません。いずれにせよ、今日は3F+1Eu+3Sでもステップアウトしてしまったので、サルコがあまり調子よくなかったのでしょう。この試合、SP、FSともに3Lz+3Loがきれいにきまったのは大きかったです。うううむ、男女とも、セカンド3Loに挑む時代になったのかしら。セカンド3Loとぶ男子といえば、すぐに浮かぶのはカート・ブラウニングとペトレンコ。ペトレンコはいつしかセカンドは3Loから3Tになりました。一方カートはずっと跳んでいたはず。ジュンファンはどちらになるんでしょう。興味あります。

3Lz+3Loとんだ後、ステップシーケンスがはじまるのですが、これが思い切りテクノ。この映画、みたのは日本公開直後でもう全然おぼえてません。でも、映画の中にはいっているはずです。たぶんパーティーのシーン。これにのって踊るステップシーケンスが鮮烈でした。リズムのっているのだけど、どこかやわらかくて。背がのびたし、がっちりしてきたので、がちがちした骨っぽい演技になったのじゃないかなんて心配てたのに、前の雰囲気を残しながら背が伸びた分、演技が大きくなって、面白い味でした。

スタジオでジェイソンやガビーと踊っている動画をジェイソンが投稿していましたが、床の上で踊ったときはリズムのとりかたが独特でして、氷上と雰囲気ちがって、不思議なかんじがしたのです。やっぱり氷の上のほうがやわらかいです。背が高いし、はばもそこそこできたのに、男性的、という雰囲気はなく、柔らかさがあるせいか、中性的な味があるように思います。そういう意味でもKissing Youはあうかも。体にひねりを加えて方向を変えるとか瞬間に音にのって流れる。このあたりがやわらかい、と思うのかな。アクセントでポーズ決めるんですが、ばーんといかにも決めました、で終わらなくて、そのあとにふーっという感触があって心地よく流れるというか。

で、急転直下というかんじで、あの強烈な「ジュリエーット」という叫び。この前後、ツボです。胸をそらせてやわらかなポージングとった後に、叫び声がきて、3Lo。叫びの前はマクミラン版のバレエを連想してしまう。連想したのはジュリエットだけど...音声はもろ、映画からです。サウンドトラックにもはいっているのかもしれません。動画、みつけてしまいました。まさに最初で叫んでます。その後は関係なさげです。

 

 

 

スピンを最後にもってくるのはお約束ですが、CCoSp4とCSSp4のつなぎもつぼでした。嘆きと、死へむかってまっしぐらという雰囲気がよくでてるような気がします。体をストレッチさせてアクセントうまく表現してますし。今回少し移動がでてしまったCCoSpがもう少しあがれば、もっと物語にひきこめそう。

言葉がはいるのって、去年のメドベのSPがそうでした。あれを参考にしたのかしら?面白いプロです。カナダではこういうやりかた、これまでしてなかったはず。ただし、自分で物語作って振り付けるのが好きなアヴェルブフとは対象的に、デイヴィッド・ウィルソンは歌詞とかもとの映画の物語やイメージを忠実に追うという違いははっきりしていて、言葉にしてもみんな映画(おそらくサントラ)からとってきています。だから映画通りの筋と曲が使われたシーンでみていけばいいはず。たぶん、ロマンチックな面を色濃くだしたロミオだと思いますが、ちらちらとジュリエットのイメージをいれているのかも。

今の所、なんと、TESでは今季最高だそう。昨年は国際試合はスケカナとオリンピックの二試合だけのおかげでGPSはスケカナのみです。二試合みる価値あるよね。テッドさんたち解説は「僕を忘れないで」といってる、なんていってました。

それにしても、あの髪、町田君をますます連想してしまう。似てますよねえ。

3    ローマン・サドフスキー Roman SADOVSKY    CAN    
233.86    SP 4 FS 4
4S, 4T, 3A(転倒), 4S(転倒), 3A(堪)1Eu 3S, 3Lo3T, 2A

 

 


ISUのプロフィールみると、184 cmあるそう。表彰台でひときわ大きくみえたのも当然ですか。去年より大きくなっているかも。前は180だったような記憶があります。テッドさんがいい編曲だから楽しんで、なんて冒頭でいってました。曲はシンドラーと鐘。たしかに面白いアレンジで美しい。この人もカナダ選手以外なにものでもないスケーティング。つまり、好きなタイプのスケート。今日も転倒はありましたが、このスケーティングと音楽のせいで、最後まで集中してみてしまえました。滑りは好きです。SSだけ8.05とってるのは、地元カナダのせいもあるかもしれませんが、たぶんどこの国の試合でても他の項目より高めにでるはず。これで転倒が減れば楽しいのに。

4    ジェイソン・ブラウンJason BROWN    USA    233.23    
SP 3 FS 5  144.33 (60.63 83.70) 
2S, 1A2T, 3S(堪), 3A(SO), 3Lo, 3F3T, 3Lz3T(ur?)2Lo(step)

 

 


4回転を挑んでは失敗しつづけていた記憶があったのですが、今日は4Sに挑んできました。いままでやったことのないジャンプのはず。練習のときはかなりいいかんじではいっていたというのですが、本番はうまくいかず2S。でも4回転が2回転になるのはよくあることだし、4Tみたいにひどい転倒はなかったのだから、4Sのほうがたしかにいいのかも。、それにしても、4Sと3Aをきちんと跳ぶためなのか、助走がジェイソンにしては驚くほど長い。メドベ同様、ジェイソンも新天地であれこれ試そうとしてるんですね。



5    ケヴィン・エイモズ Kevin AYMOZ    FRA    227.12    SP 8 FS 3 
162.93 (81.63 82.30) -1.00

4T, 3Lz2T, 3A+2T, 3Lo, 3A(転倒), 3Lz, 3F(e)+1Eu<+3S
 

 

あれ、こんな顔だっけ?と思ったのはきっとヒゲをはやしたせい。最初のでだしからジャンプ跳ぶまでいいですよね。ヨーロッパ勢ってかんじがします。最初の30秒ぐらいで特徴のある動きやったりして曲想をだそうとする人が多いです。ケヴィン・エイモズもそうで、エモーションがある。INがひときわ高いのも納得。ジャンプのせいでSSは抑えられる面もあるとはいえ、まだ、表現意思が100%だせてないところはあるかも。服引っ張ってます。珍しい動き。