妙円寺の御朱印は今のところ2種類あります。

どちらもシールタイプですが、印は一枚一枚手押ししてあります。

デザインは妙円寺オリジナルのものです。

 

 

 

 皆様は、釈尊(お釈迦様)にどのようなイメージをお持ちでしょうか?「よく分からないなぁ」という方であっても、「お釈迦様はとても優しい人」というイメージがあると思いますし、実際、釈尊はとても優しい人でした。
 

 しかしお経を読んでみると「え!?これは本当に釈尊の言葉なの?」と驚くものもあります。例えば「法句経」という古いお経には、以下のような言葉があるのです。

愛する人と会うな 
愛しない人とも会うな
愛する人と会えないのは苦しい 
愛しない人と会うのも苦しい
それゆえに愛する人をつくるな 
愛する人をつくるのは禍である
愛する人も、憎む人もいない人には禍の絆が存在しない


 きっと驚かれたと思います。なぜ釈尊は「愛する人をつくるな」とおっしゃったのでしょうか?
 一方、スッタニパータというお経には、次のような言葉があります。

目に見えるものでも
見えないものでも
遠くに住むものでも
近くに住むものでも
すでに生まれたものでも
これから生まれようと欲するものでも
一切の生きとし生けるものは、幸せであれ


 この言葉は皆様の釈尊のイメージに近いと思います。釈尊はご生涯ずっと、全ての存在の幸せを心から願っていました。
 ではそんな釈尊がなぜ、「愛する人を作るのは禍である」とおっしゃったか、実はここに仏教を深く理解する鍵があるのです。

 慈悲、慈しみの心を仏教ではとても大切にしています。
 法華経の中でも「釈尊は誰に対しても、好きとか嫌いとかいう心を持つことがなく、全ての人が幸せでありますように、といつだって願っています」という旨が説かれています。
 
 この事が「愛する人をつくるな」という事に繋がります。釈尊は、特別に愛する人を作るのではなく、全ての存在に対して優しい気持ちを持って下さいね、そうすれば、あなたはきっと幸せな気持ちになれますよ、とお伝えになったのです。
 

 特別に愛する人を作ると、それは時に執着になり自分の心を苦しめてしまう事もあります。その極端な例がストーカーだったりするのではないでしょうか?
 

 しかしながら実際のところ、周りの大切な人と、あまり好きでない人双方に常に同じように接する、というのは大変難しいとも感じます。
 ですからせめて、損得抜きで幸せを願える相手を、周りに少しずつでも増やしていければと思うのです。 
 

 優しい心を大きくする修行が仏教では色々説かれていますが、日常生活で簡単に実践できる事を一つお伝えします。
 

 皆様も普段の生活で、「この人あまり好きじゃないな」とか「この人苦手だな」という人とお話をしなくてはいけない事があると思います。 

 そういう時には心の中で「この人が幸せでありますように」と祈りながら話をすると、自然に態度も言葉も柔らかくなって、相手との関係もよくなりますよ、と説かれています。機会があれば是非お試し下さい。

 


 

 仏教に詳しくない人でも、最澄の名前は知っていると思います。平安時代のお坊さんで、比叡山延暦寺を建立した天台宗の開祖です。「伝教大師」としてよく知られていますね。法華経研究にも熱心で、もちろん天台宗でも法華経を読みます。
 

 言うまでもなくとても立派な方で、その功績は大変なものがあります。しかしそんな最澄も、人を育てることには苦労したようです。
 
 最澄の最晩年の言葉をまとめた「根本大師臨終遺言」というものがあります。簡単にいうと弟子達への遺言なのですが、以下のような内容もあります。

・お寺の敷地内でお酒を飲んではいけない
・女性を連れてきてはいけない
・子供に暴力を振るってはいけない

 このような遺言を残したというのは、要するに決まりを破るお坊さんがいた事のあらわれです。子供に暴力を振るうお坊さんがいたというのはなかなか驚きです。
 なお、お酒に関しては「薬として飲む」事はお寺の中でなければ認められていました。日蓮聖人の時代もそうですが、お酒は体を暖めるために飲まれる事が多々あったようです。

 最澄ほどの人でも、思い通りに人を育てる事はできなかったのです。これは実は釈尊(お釈迦様)も同様でした。
 立派に育ったお弟子さんが多かったのは間違いないのですが、規則を守ることができず、結局追放された人も少なくなかったと考えられています。
 釈尊でさえそうなのですから、我々が他の人を思い通りに変えることはまず不可能でしょう。 自分を変える事さえ難しいのですから、人を変えるのはなおのこと大変ですね。
 
 人間関係が上手くいかないとき、改善しようと努力することはもちろん大切だと思いますが、「こういうものだ」と開き直るのも、時には必要なのかもしれません。