この作品は、YouTubeとFacebookに投稿されていますが、その仕組み等を説明します

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この作品の狙いは、

静かに降り続ける雨の昼下がり、「雨だれ」の滴る音だけが静寂を破って聞こえてくる、この様な風情を、透明に響く「雨だれ」の音によって表現しようとするところにあります。

 

それで、まず、透明な音が出そうな材料として、黒檀の角棒・アルミの管・真鍮棒・真鍮の管等を叩いて試し、「真鍮の管」を選定しました。

そして、それに「雨だれ」に見たてて手持ちの「鉄球」を落下・衝突させる構造を採る事にしました。

 

「雨だれ」が発するあの心地よい音色を彷彿とさせる、安定的に常に透明な音を出させる為には、「鉄球」が「真鍮の管」に落下・衝突した時に、「真鍮の管」(の中の空気)を素直に常に同じ様に振動させる事が必要です。

その為には、「真鍮の管」を ソフトに安定的に支持する構造が必要でしょう。そして、「真鍮の管」に「鉄球」を、常に同じ状況(強さ・向き・位置など)で落下・衝突させる仕組みが必要でしょう。

これらの条件を満たす為に幾つもの工夫・仕掛け等が必要で、この辺りが、この話の中心になります。

 

まず「真鍮の管」ですが、その太さに付いては、特段の考慮も無く、作品として纏めやすい寸法規模として、あるいは、手持ちの「鉄球」の直径と合わせる形として8mmとしました。

つぎに「真鍮の管」の長さですが、これは発する音の周波数(音階)に直結しますから、それとの関連で決めました。両手に乗る程の大きさの作品に仕上げる事を命題としていますので、絶対音階を云々する程の長さにする事は出来ず、基本とする管の長さを適当に決めて、他の管の長さは相対的比率で決めました。

具体的には下記の表の様な長さとしました。

 

  出典: 楽器の長さと基本振動数

  https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/oto/naiyou/zissen3.html

ファ

管長mm

200

189

178

173

163

154

145

141

          「真鍮の管」の長さ

 

 

次に「真鍮の管」を支持する構造に関する説明をします。

支持板の形は、試行錯誤の末、下図のような構造としました。

 

   「真鍮の管」の支持板

 

100円ショップで 幅15mm厚さ15mm長さ数mの「隙間テープ」(スポンジ ゴム テープ)を求めて、それに直径8mm程の半田鏝の発熱部を軽く押し当てて、「真鍮の管」を収め支える窪みを作りました。

半田鏝の設定温度と押し付ける強さが肝心で、スポンジゴムが歪まずに熱で溶ける状況を維持しつつ、窪みの深さが「真鍮の管」の直径8mm程度に深くなるまで、軽く押し続けます。

窪みを、そこまで深くするのが難しいと感じた時は、図の上の方の形でも良いでしょう。

 

そして、その支持板を下図の様に、「真鍮の管」の上下の両端を支持する形で配置しました。図の下方端が、「鉄球」を当てる打点になります。

 

   「真鍮の管」の支持位置

 

 

次に、「真鍮の管」に「鉄球」を落下・衝突させる部分に関する説明をします。

 

まず、「鉄球」が常に決まった落下線に沿って落下し「真鍮の管」の定位置に定角度で衝突するのが好ましいでしょう。その為に、「鉄球」が落下し始める所に下図右の様に「鉄球落下ガイド」を設けました。

             「鉄球落下ガイド」を設ける

 

また、「真鍮の管」が水平に設置されていると、落下した「鉄球」が「真鍮の管」の上でバウンドし濁った音を発する事があるので、「真鍮の管」を5°程度傾斜させて、落下・衝突した「鉄球」が、そこでバウンドせずに前方(下図では右方)へ飛び出す様にしました。

 

 

 「真鍮の管」を傾ける

 

それから、「真鍮の管」は当然の事ながら平面ではないので、「鉄球」の落下線が少しずれただけでも、「真鍮の管」の中心に「鉄球」が当たらず、澄んだ音が出ない事があるので、下図の右図に示す様に、「真鍮の管」の端(打点の位置)に10 X 10 X 2mmの「真鍮平板」を、エポキシ樹脂系接着剤で取付けました。尚、この改良は2024/02/10に投稿した作品には適用されていません。

 

 

 

 

この作品には、他の主要機能として、「鉄球」をどの(音階の)「真鍮の管」へ落下させるか選定する機能がありますが、それはサーボモーター制御によって行っています。

 

サーボモーターの使い方に付いては、このブログの別稿(下記)に投稿しておきました。

「意外と簡単な サーボモーターの使い方」

https://ameblo.jp/myoshiiky/entry-12785842013.html

 

 

他の主要機能として、「鉄球」を1個づつ送り出す機能がありますが、それは上記のサーボモーター制御と関連付けたマイコン制御でDCモーターの回転を制御しています。

 

 

この説明が、この作品を一層深く楽しんで頂ける一助となればと思っています。