櫻葉ではなく、相櫻です(>_<)

BL的表現あり。これは素人自己満足のために書く妄想小説です!!実際のものとは一切関係がありません汗。

大丈夫な方のみ、前へお進みくださいm(_ _)m



 




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次の日。
風間くんを教室で見つけたオレは、おはようも言わずに捕まえた。

「風間くん風間くん風間くん!」
「何なになに、相葉くん」
「ね、風間くんって花言葉詳しい?」

突然オレに迫られた風間くんは、そりゃあもう目が点になっちゃってたけど、席に座った後話し始めた。

「……全部知ってる訳じゃないけどまぁ……相葉くんよりは分かるんじゃない?ずっと触ってるし」
「よかった!じゃあ教えてもらいたいんだけど……」
「え、なに、急に。どういう風の吹き回しだよ」

風間くんがびっくりしながら、笑ってる。
そりゃそうか。
オレ昨日まであんまり花言葉とか誕生花とか……ほとんど知らなかったもんね。

でも知りたいんだ。
先輩がオレにあの景色を見せた意味を。


オレは……風間くんに昨日の話をした。

オレには好きな先輩がいる。
その先輩が、専攻をどれにしようか悩んでるオレのことを生徒ガーデンのとある場所に連れていってくれた。
そこにはヤドリギとネモフィラとカモミールがあった。
その花の景色を見せながら『この景色がオレを応援してくれる』と言ってくれた。
先輩がオレに伝えたかったことが知りたい。

……その先輩が櫻井先輩だってことはさすがに伏せておいたけど、そんな感じのことを風間くんにたどたどしくも打ち明けた。


風間くんは、興味深くうんうんと頷いた後、めちゃくちゃにっこり笑って言った。

「生徒ガーデンにそんなところあるんだね」
「うん、めちゃくちゃ綺麗だったんだよ」
「それに相葉くん、その人……すごく相葉くんのことを考えてくれてるんだね」
「えっ!?……それってどうゆうこと?」


風間くんから気になることを聞いてしまって、オレは前のめりになる。
櫻井先輩が、オレのこと……か、考えてくれた?

風間くんが言った。

「俺、実家花屋だし、花束作るときに花言葉を意識したりするんだけどさ」
「……花言葉……」


カズくんも昨日言ってたことを思い出す。
チューリップは《思いやり》。
じゃあ、ヤドリギは?
ネモフィラは?カモミールは?

「ねぇ、ねぇ!あの花はどういう意味があるの?」
「近い近い……落ち着いてよ」
「あ、ごめん」

あんまりにも顔を近づけちゃってたみたいで、オレは慌てて引っ込む。
オレが距離を取ったのを見計らい、風間くんが口を開いた。

「まず『ヤドリギ』は『困難に打ち勝つ』」
「え、そうなの?!」

思わず声を上げた。
自分の誕生花にそんな言葉があるなんて……何だか勇気が湧いてくる気がする。

「それ、オレの誕生花って言ってた。だからそれは……オレ自身なんだって」
「へぇ、いいね。なんか、勇気もらえるじゃん」
「うん……それで?次は?」
「次にネモフィラなんだけど……確か……」
「うん」
「『何でも成功』」
「……!」


(何を選んでもきっと正解だよ)

「最後にカモミールが『逆境に耐える力』みたいな……」
「…………」

(この景色が相葉くんを応援してくれる)


……先輩の言葉が蘇る。

(きっと大丈夫)

「…………」


心の中に広がるじんわりとした先輩の優しさ。



オレのことを考えてくれた。
直接の言葉じゃなくて。
お花を通して……言葉を伝えてくれた。
……ヤバい、泣きそう。

「相葉くん、だ、大丈夫?」
「……だいじょーぶ……」
「いや、全然大丈夫じゃないじゃん。もう、急にどうしちゃったの?」

慌てる風間くんの前で、オレは感動して涙ぐんでしまった。

(勝手に自己完結しなくていいんじゃない)


カズくんは分かってたんだ。
で、オレと先輩のことなんて何にも知らない風間くんからこれを教えてもらうことで……オレが先輩への恋に勇気が持てるようにしてくれた。
……そういうことだよね、カズくん。


……それにも泣けてきちゃう。


「おはよう……って相葉くん、どうしたの?」
「っ……な、何でもないです……」

気づいたら松本先生が教室に入ってきて、オレを見てびっくりしてた。
オレは慌てて滲んだ涙を拭った。





ホームルームの時間、オレは考えてた。
……お花っていいな……って。


人見知りなオレでも……お花があれば伝えたいことを伝えられるかも。
花言葉を知ってる人なら尚更。
次の園芸専攻の授業がとっても楽しみになってきた。




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専攻……決まったかな?