櫻葉ではなく、相櫻です(>_<)

BL的表現あり。これは素人自己満足のために書く妄想小説です!!実際のものとは一切関係がありません汗。

大丈夫な方のみ、前へお進みくださいm(_ _)m







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壁はないけど屋根のあるそこには、ちょっとした木のテーブルとベンチがあった。

大野先輩は何やら色んな紙をトントンと揃えていたけれど、それをカバンにしまうと、オレに頭を下げてきた。


「ごめんね、相葉ちゃん。俺うっかりしちゃってて」

「えっ?」

「俺と智くんにとって『食堂』って言ったらここなんだよ」


櫻井先輩が続けた。


「ここって結構校舎から距離あるでしょ?あんまり人が来ないわりに、日差しも遮られるし、風通しもいいし、冬以外は静かで過ごしやすいんだ」

「穴場だよねぇ~」

「ね」

「へぇ……」


すれ違いの理由は分かったけれど。

大野先輩と櫻井先輩が微笑み合う様子を見ると、何だかちょっと……複雑になっちゃう。

幼なじみだから仲良くて当たり前なのにな。


「しょおくん、迎えに行ってくれてありがとう」

「どういたしまして」

「…………」


ツンツンとカズくんがオレの手をつつく。何だろうと思ったら、そっと耳打ちしてきた。


「顔に出てるよ。羨ましいって」

「えっ?うそ」

「なぁに、どうしたの?」

「いえ、何でも。それより、お腹空きましたし、ご飯にしません?」

「あ、そうだねぇ」


コソコソ話に、櫻井先輩が反応したけれど、カズくんがさりげなく話題を変えてくれた。

ホント、カズくんのフォローは完璧過ぎて助かる。オレもカバンからお弁当を出した。

カズくんは料理の練習がてら自分で作ってるけど、オレは二宮のおばちゃんが作ってくれたお弁当だ。


「うわ、先輩の何だか大きすぎません?」


カズくんが思わず声を上げたのは、大野先輩のお弁当が何だか運動会とかで持ってくるような重箱みたいなお弁当箱だったから。

いくら育ち盛りの高校生でもこれは……ってオレもびっくりして、呟く。


「……た、たくさん食べるんですね」

「これ?あ、違うよ」


大野先輩がニコニコ笑いながら否定した。

ふと前に座る櫻井先輩を見ると、お箸しか目の前に出していない。


あれ、何でだろ?


オレが不思議に思って見ていると、大野先輩が紙皿を取り出して、先輩に渡した。


「はい」

「ありがと」


ん?何で紙皿渡したの?


2人のやり取りがあまりに自然すぎて。

オレはその紙皿と大野先輩の大きなお弁当箱を交互に見た。

櫻井先輩がオレの様子に気づいて笑う。


「オレの弁当もこれなの」

「……へ?」


オレはびっくりして、変な声を出してしまった。