手元にある資料によると、それは約2年前。
わたしが暮らす某区では「あの病院に行けば間違いない」と言われているA病院で、いわゆる健康診断を受けたときのこと。
結果を聞きに行くと「重い貧血」という診断が下っていた。
「生活が不規則だとか、食事をあまりとらないだとか、何か心当たりはありますか?」
優しそうな内科のドクターに聞かれて、ありまくりですと答えたわたし。
わたしの仕事は、朝9時から職場に入って、夕方からは別の職場に移動して、帰宅は午前様なんてことも結構ある仕事。
かっこよく言えば「フリーランス」。
でも要は根無し草なので、いわゆる「会社の健康診断」なんてものは無し。今回だって、年齢的なことを考えて「何となく」で受診した訳で。
「ここまで貧血がひどいと、もちろん生活習慣の問題もあるかもしれませんが、ひょっとしたら何かしら罹患されているかも知れませんね・・・」
た、例えば?
「分かりやすいところでは、女性の方だと婦人科系の病気ですね。毎月の生理はいかがですか?」
うーん、結構重いと自分では思っているんですけれど、わたしの周りの人も、割と皆さん「重い」って言うし・・・
「あとは胃腸の病気ですね。胃や腸から出血してしまっていて、それが貧血を起こしている可能性もあります」
大腸の検査は受けて問題なしだったけれど、胃の検査は受けていないな・・・
「取りあえず、婦人科を受診されますか?生理が重いという点も、若干気がかりですからね」
婦人科かあ・・・
婦人科って、あの診察台がどうも・・・いや、仕方ないのは分かっているけれども。
・・・ちなみに先生、婦人科の先生は男性ですか?
「いえ、女性の医師です」
まあ、男性のドクターに診てもらうより良い、のかな?
実はわたし、10年ほど前にあまりの生理不順に別の婦人科に半年ほど通ったことがあるのです。
ただそこでは、血液検査をするでもなく内診するでもなく、単にわたしの症状を聞いただけで「じゃあ、ホルモン注射しようか」と言われ、ちょっと嫌な思いをした記憶が・・・
その時の医師が男性。
しかもこれまた、地元では「産婦人科と言えば」的な「地元の名医」。
そんなこんなで、後日この A 病院の婦人科を受診
先生は、とっても感じの良い、はきはきとした明るい女医さん
健康診断で貧血だと言われたことや、毎月の生理の具合とか、いろんな問診のあと
「取りあえず、エコーで見てみましょうか」
わたし、今回の入院で「針」には随分慣れたけれども、未だあの診察台は慣れません
「ああ、ありますねえ、筋腫があります」
あ、あの「ほとんどの女性が持っている」という筋腫ですか?
「うん、でもまだ2 cm くらいかなあ。手術するって程ではないと思いますよ。大丈夫です」
後にわたしの主治医となる B 病院の先生に言わせると「2 cm くらいの段階でも十分手術できる」とのこと。しかもお腹を一切切らず(いわゆる子宮鏡下手術)
「経過観察しましょうね。半年に 1 度くらいに診察にお越しくださいね」
しかしこのあと、この女医さんは転勤か何かで病院を去ることに。
それにしても、先生の言葉を信じ込んで何も調べなかったわたしも悪いけれども、いま思えば「ほとんどの女性が持っている」から「経過観察で良い」ワケないのですよ。
この「筋腫はほとんどの人が持っている」は、ある種の常套句なんだと思う。
でも、それのおかげでお腹を切らなきゃならない人や、わたしみたいに子宮丸ごと失うハメになる人もいる訳で
こちらの漫画にも、同じようなことが書かれてありました。
子宮、応答せよ。--筋腫警報発令中
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実はわたしも「先生」と呼ばれる仕事に就いている身(医師ではありません)。
だから普段から、職場での発言にはとーっても気を使っているつもり。だって場合によっては、自分の何げない一言が相手の人生を大きく左右することもあるから。
「大丈夫」って言われたら、やはり信用しちゃいますよ、先生。
そして半年後。再診の話は、その②で。