人間は、もの心つくとすぐに、まず物事を二つに分ける心をそなえます。
分別です。
そして分けた二つを天秤にばかりかけます。
計量計算の心。そして自分にとって良い方をとり、他を捨てます。
善と悪、損と得、浄穢・・・。
そこに価値を認め、価値を追求します。
世渡りの才覚、世間の知識、がまさにこれです。
いつも並べて比較、競合、評価します。
実は人生に失敗はありません。
失敗とは、あらかじめ予測計算期待がこちらにあるからこそ、それが思い通りにいかなかったとき、失敗とか敗北とか、裏切られたと評価するのです。
こちらに前もって何の予測計算の注文のない限り、失敗も失望もあり得ません。
どんな人生を生きても無駄ではなかった、無価値ではなかった、すべてのものには意味があり、だから人生捨てたものではありません。