天上高くはるか遠い宇宙に香りの国「衆香国(しゅうこうこく)」があります。
そこには香積(こうしゃく)如来いう仏さまがいます。
香積如来の国はすべての建物が香りで造られています。
ここは文字や言葉を用いてお話されるのではなく、妙なる香りによってすべての者たちが導かれています。
その香りを聞くだけでやすらぎにみち、幸せな気分になります。
それに対してこの娑婆世界では、あまりにもつよい煩悩に支配された私たちはお釈迦さまのことばをもって真理を説かれ、私たちの魂を救わんとされて来ました。
この事から、お釈迦さまの真理の法を聞かせていただくのと同じように香も聞くべきものとして捉えられるようになりました。
香道の世界では香りを聞くと言われるのはここからの所以です。
観音菩薩などもそうですが、それぞれの仏さまたちがそれぞれの世界で法を説かれれいます。
じつは今、観音菩薩も自分の世界があるのですが、この世界を救いに遊びに来ているのです。