マニュアル通りのお話では、生活に追われている人の心をとらえるのは、難しいものです。




これに対して道を求める人の行いは、接しているだけで心温まるような快感があります。




この方々の根本には、無我であり、他の幸せを願う利他の心があるからでしょう。



このような人の側にいれば、怖れることなく死の境域を乗り越えられるような思いがします。





小泉八雲さんの短編に『人形の墓』があります。




怪談を集めている八雲さんに地方の名士が、ある少女を呼びます。




少女は、自分の身の上を話し始めました。



                                  



つづく