縮図
妙現寺のお餅つきご奉公。
たかが餅つき、されど餅つき。
侮ることなかれ。
まきを割り火を起こし、4月とはいえ、夕刻かじかむ手で、冷たい水でもち米を洗い、炊く。
頃合を見て、火からおろし、米粒をつぶすようにこねあげる。
米粒がつぶれたら、最初は軽く、臼の中のもち米の状態を確かめながら、
つく。
ひたすら、つく。
まぜ手は餅の高温に耐えながら、つき手に米粒をつぶしてもらうよう餅を操る。
お互いがお互いを思いやる。
『つき』は餅つきの中でも花形だ。
見た目も派手。
それも、
『つき』までの丁寧な準備があるからこそ。
つき上がったら、粉をまぶし、お鏡餅の形に整形。
ご奉公者にふるまわれるご供養用の餅を調理する。
最後は釜の火を完全に消火、片付け。
どの工程一つ欠けても成立しない。
そして、先輩が後輩に伝える姿がある。
ここには、そういう社会がある。
最後に今日を振り返り、あらためて分かったこと、、、
最近の筋肉痛は、2日後から始まるらしい。
今はまだ痛くない。
<餅つき後、誘惑に負ける凡夫の図>
★Ryuji
お鏡餅つき(出かける時は忘れずに)
いよいよ4月10日の門祖会に向けた準備ご奉公が始る。
門祖会の詳しい解説はご住職にお願いするとして、
門祖会とは本門佛立宗のお寺で年3回行われる重要な法要のうちの一つで、
その準備活動が始まると思ってもらえるといい。
準備ご奉公といってもいろいろある。
境内のテント張り。
テーブルやイスの準備。
車椅子の空気入れ。
スロープの設置。
他にもたくさん。
老若男女一丸。
今日は夕方からお鏡餅つきのご奉公。
お供えするお鏡餅を皆でつくのだ。
もちろん、かまどで餅米を炊き、杵(キネ)と臼(ウス)で。
仕事を早めに切り上げて妙現寺へ行くのだが、
『ふくめん』を忘れないようにしなくては。。。
なぜなら、お鏡餅つきは『ふくめん』着用だから。
ここで、「まさか!」と思ったあなた。
『お餅つき×覆面(ふくめん)』
何もタイガーマスクやミル・マスカラスみたいに覆面レスラー的なやつを
かぶってお餅つきするわけじゃない。そもそもお寺だし。
本門佛立宗で『ふくめん』というと、風邪のときにつけるマスクのような形をした
プラスチック製のマスクで、お供え物をお供えする時など、
(息がかからないように)着けるのである。
はたして覆面レスラーがお鏡餅つきに参加してくれる日は来るのか。
<まさかのザ・デストロイヤーさん>
★Ryuji
神戸さんからの電話
彼女は助産師。
広島で被爆体験をし、命の重さを痛感して助産師の道を選んだ。
今、東京町田を中心に核の恐ろしさを伝えている。
数年前には『別冊フレンド』のキャラクターにもなった人。
妙現寺の物資搬送の際にも120キロものお米をご有志してくださった。
数量ではなく“その想い”が有難かった。
各被災地では助産師が不足し、出産を控えた方たちが不安な生活をしている。
そこで今月18日から10日間、宮古で助産師としてボランティア活動をする。
若いとは言えない彼女。
だが自ら名乗りをあげた。
『頑張って神戸さん!』
ご祈願させて頂きます。
現地で必要な物資のこと、近隣の佛立宗寺院など、知っている限りの情報を提供させて頂いた。
『無謀』と『勇気』
『冷静』と『無関心』
似て否なるもの…。似ているけど全然違う。
彼女のような躊躇ない行動力が今の被災地を支えている。
最後に2人で確認したこと…。
それは『僕たちは幸せもの』ということ。
被災地へ行きたい人はいっぱいいる。
赴く縁を頂いたことが幸せなのだ。
現地でボランティア活動をすることが一番大事なのではない。
『出来る事をする』その想いが大切なのだ。
老・若・男・女、仕事、時間、いろんな生活事情の中で…それぞれ出来ることがある。
あまりに頻繁に使われるようになった言葉。
『自分の出来ることをしよう!』
でも大事なんだよね、これが。
出来ることしよう。
新しい命が待ってる。