2021年3月11日、ドコモ光から
フレッツ光 + ぷらら光メイト
に切り替わった。
プロバイダを先行して切り替えたため、数日前からぷらら光メイト(v6コネクト)での利用は開始しているのだが、少し変わった検証をすることで【DS-Lite方式】(v6コネクト・transix・クロスパス)の3つに共通した長所をみつけることができた。
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先に、NTT系の回線で採用されている【IPv4 over IPv6】について解説。
古くからある認証ID・認証パスワードを入力してインターネットに接続する方式と違い,
これらを全く入力することなく接続でき、ユーザー数増加による速度低下が非常に起きづらいため、より快適に利用できるサービスである。各サービスに対応したルーターが必須条件である。
国内の一般ユーザー向けでは3つの系統があり、【VNE事業者:サービス名】は以下
【MAP-E方式】
NTTコミュニケーションズ:OCNバーチャルコネクト
日本ネットワークイネイブラー:v6プラス
Biglobe:IPv6オプション
【DS-Lite方式】
インターネットマルチフィード:transix
アルテリアネットワークス:クロスパス
Asahiネット:v6コネクト
【4rd SAM方式】
BBIX:IPv6高速ハイブリッド
※IPv6高速ハイブリッドはソフトバンクの光BBユニット専用のため、市販ルーターは利用不可
このVNE事業者にISPが設備を借りてユーザーに提供している。
私が利用しているのは、
VNE事業者:Asahiネット(v6コネクト)
ISP:ぷらら
である。
※プロバイダがぷららの場合、【ぷらら光メイト】のみが【v6コネクト】を提供。
※ぷらら光・ドコモ光 for Plalaは【OCNバーチャルコネクト】になる。
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今回実験したのが以下の機器構成
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VH-1004EN
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HUB----WSR-3200AX4S (v6コネクト) ))
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| L----Archer A2600 Pro(v6コネクト) ))
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WG1200HP4(v6コネクト) ))
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この機器構成で3台とも【v6コネクトモード】でインターネットが利用でき、
通信速度の低下も見られない。
※同時に多くの帯域を使用する時の速度低下は1台のルーター利用と変わらない。
以下は【WSR-3200AX4S】
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以下は【WG1200HP4】
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以下は【Archer A2600 Pro】
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今回は3台だけにしたが、4台でも5台でも問題ないことが判明。
【WSR-3200AX4S】と【Archer A2600 Pro】は公式な【v6コネクト】モード対応機器ではないため、
上記のように【その他のDS-Lite】や【DS-Lite】と表示されているが、ゲートアドレス手入力で設定し【v6コネクト】で設定している。
通信速度の中の応答速度の違いは機器の個体差や誤差と思われる。
このように、同一回線内で、複数のルーターで同時に【同じDS-Lite方式】のモードで接続ができることがわかった。
この接続環境は、【PPPoE(同一アカウント)】や【MAP-E方式】では絶対にできない。
【DS-Lite方式】ならではと言える。
<これができて、何がいいの?>と言われそうだが、確かにとても素晴らしいメリットがあるとは言えない。あるとしたら、
① 例えば今回のような機器構成で、広い敷地に1回線だけで多くの部屋に別々のネットワークを接続するなどだろう。
この機器構成であれば、トラブル発生時に1台のルーターを再起動しても、他のルーター側のネットワークは切断されずにそのまま利用できる。
② または別のケースとして、以下の機器構成の場合。
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ひかり電話HGW(transix)-----PC
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WG1200HP4(ルーターモード・設定内容不明) ))スマホ等
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上記は設定する意味を理解していない初心者がWG1200HP4を多段ルーター状態で設置した場合だが、この場合は【transix】・【ローカルルータ】のどちらのモードでもネットが繋がり、ひかり電話HGWに接続したPCもほとんど影響を受けずにネットに繋がる。
言い換えると、<いい加減な知識でなんとなく設定>でも、配線が間違えなければ接続できるので初心者には都合が良いかもしれない。
※ただし、下部に【transix】モードで多段接続する際はひかり電話HGWから電源を入れ直さないと接続できない。一見繋がっているように見えてもIPv6通信しかアクセスできない時があるため、不安定な時はHGWから電源入れ直す。
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また、【DS-Lite方式】は、IPv4アドレス変換機能(NAT)がユーザー側のルーターではなく、VNE事業者の設備(ゲートウェイ)側で行われるので、電源起動時にインターネットにつながるまでの時間が【MAP-E方式】よりも非常に早く、ユーザー側のルーターにかかる負荷がきわめて小さい。このためスペックの低い低価格なルーターでも安定した通信ができる。
唯一の欠点は、逆にVNE側の不可が大きいので、短時間に使用するユーザーが多くなると通信速度が低下しやすい。この部分は【MAP-E方式】の方がやや優れている点。
このため、通信速度が終日低下しない限りは【DS-Lite方式】の方がユーザーにとっては使用しやすい。
他にポート開放・固定IPなどが併用不可というデメリットがあるが、その場合今回実験した機器構成にして一方のルーターをPPPoE接続モードにすれば全く問題ない。
もちろん、【PPPoEアカウント】と【DS-Lite(IPoE)】が併用できるプロバイダ、例として
Asahiネット・ぷらら・WAKWAK・楽天ひかり
などの大手であればであるが。
前回投稿にも記載したが、【v6コネクト】は【国内標準プロビジョニング方式】である。
2021年3月12日時点ではメーカー側で公式に対応しているルーターはほとんどないが、実際には【transix】に対応しゲートアドレスを手動で入力可能な機種であればほぼ接続可能と思われる。例として接続可能な機器が提供されているのは、
Buffalo・NEC・i/oデータ・TP-Linkなど。
※エレコムは現時点では【v6コネクト・DS-Lite方式】には全機種非対応なので注意。紛らわしいが一般向けではない特殊な【v6コネクト・IPIP方式】に一部機種対応している。
以下は、【v6コネクト・DS-Lite方式】が利用可能なおすすめルーター
※IPv6高速ハイブリットを除く全ての一般向け【IPv4 over IPv6】サービスに対応
Wi-Fi6対応、安定度抜群の高性能モデル
メーカー公式で【v6コネクト】対応済の低価格モデル。一人暮らし向け
Wi-Fi6対応、長時間利用でも安定性抜群のNEC製品
※WX3000HP(AX3000HP)は【クロスパス】のみ未検証。
外付けアンテナタイプ、電波の届く範囲がかなり広い。
※【ひかりTV for docomo利用者】には<PPPoEモード必須>に制限あり
Wi-Fi6対応、外部アンテナタイプの格安モデル。
※BiglobeのIPv6オプションは現在未対応(対応予定)。
※i/oデータ公式サイトにて【v6コネクト】正式対応予定機種。