その後すぐ、ベテラン風の別の救急隊員からも電話があった。
「家族が来れませんか」と。
私「行って何をすればいいんでしょうか?」
救急隊員「痛み止め買ってきてもらって飲ませるとか」
私「痛み止めは病院から出てます」
救急隊員「そうですか。じゃあそれ飲んでもらって。
明日朝、また病院に診察してもらえるか聞いてください。
救急隊が間に入るより、お母さんから直接病院に連絡してもらって、
自分の状態を伝えてもらって
診察してもらえるってことになったら、また救急車呼んでもらっていいから」
私「まず、自分で受け入れ先を確保しないといけないということですね」
救急隊員「そうです」
そういうものなんだな。
立て続けに地域包括支援センターからも電話があった。
主に先程の2人の救急隊の方と同じ内容だった。
包括センター「明日の朝8:30頃にお母さまから病院に連絡してもらってください。
娘さんからも連絡したか早い時間に確認してください」
私「母もさっき説明したら理解はしていたようですが、忘れそうだなと言っていたので
9:00前には私からもお母さんに連絡したか確認するねと言っておきました」
翌朝9:00前に母に電話
私「病院に電話した?」
母「お母さんが連絡するの?」
私「やっぱりしてないね。私から連絡するから、受入してもらえることになったら
救急車で病院に行くんだよ」
母「今日は行けないよ。片付け始めちゃったから」
私「動けないんでしょ。2階にいるんでしょ。片付けなんか出来るわけないでしょ。
病院に連絡するから切るよ」
私「昨日、救急隊から連絡してもらったんですけど、受け入れしてもらえなかったので
今日の朝、母本人から病院に状態を連絡して受け入れの確約をとってから
また救急車を呼ぶよう言われたのですが、母は認知症のような症状があるので
昨日は理解していたんですが、今朝はもうわからなくなっているので
娘の私が連絡しています」
病院「担当の看護師につなぎます」
看護師に同じ説明をする。
看護師「家族の方今から来れませんか」
私「行ってどうするんですか」
看護師「状態がわからないので、家族の方が行って状態を説明してもらわないと
受け入れられるかわかりません」
私「昨日、救急隊の方が説明してくれた通りです。それ以上何を知りたいんですか」
看護師「先生に確認しました。受け入れはできません。」
私「次回の通院予定までは母はもちこたえられないから、
明日受診するよう救急隊の方からは言われていますが
そこまで持ちこたえろということですね」
看護師「そんなことはいってません」
この日私は在宅勤務だったので良かったが
こんな電話を30分くらいしていて、勤務開始時間にかかる寸前だった。
向こうの説明では来てもらってもできる処置がないということだった。
父のときもそうだったが痛いだけでは何もしてくれないというか
何もできないというのが病院の言い分だ。
「痛み止めを飲め」
救急隊の方にも昨日そう言われたから
病院に行ってもそう言うだけとのこと。
これが今の日本の医療なんだなと思った。
父のときは浴槽で動けなくなったので
裸で床に転がったまま翌日まで過ごした。
それでも誰も何もしてくれることはないという。
私が思うに多分、このとき、母は背骨を骨折したのではないかと思う。