2週間前、何年ぶりかわからないほど久しぶりに旅行に行った。
本当は両親を連れて行くのが一番の目的だった。
昨年10月に父が運転出来なくなってからは
少なくとも隔週で実家に行っている。
80代の両親は行く度に老いが深まっているのを実感する。
体力的な事もそうだが
脳の状態が「物忘れ」というレベルでは
もはやないと思う。
よく食事で「何を食べた」か忘れてしまうのが「物忘れ」
食事した事自体を忘れてしまうのが認知症なんて聞くが
それならもう両親とも
認知症と言える気がする
ただ二人とも自分たちの脳はもう本当に深刻な状態だと思っている分
正常な判断能力があるのではないかと
勝手に思っている
少し前に母と雑談していた時
「何かに書いてあったけど、お年寄りが後悔していることって
『もっと冒険しておけばよかった』なんだって」と言ったら
「冒険かー、私は別に冒険はしなくてもいいけど
もっと旅行に行きたかった」と言っていたことがあり
父も母も脳だけじゃなく
身体的にも色々問題もあるんだけど
県内なら1泊くらいなら出来るんじゃないかと思い
そう、これも少し前に
急に母が実家の市内のホテルに今日泊まろうと言い出し
父はそういう急な予定変更が昔から嫌いな人で
「勘弁してくれ、(私に)お母さんを連れてってやってくれ」と言って
その時は行かなかったんだけど
(しかも後で調べたらそのホテルはもうなくなっていたようだ)
市内にでも泊まりたいくらいなら
近隣の町で計画しようかと思って
本当ならせっかく旅行するなら
もっと遠くが私達としては行きたいけど
ただ泊まるのが目的なら
無理なく車で数十分程度の所がいいかなと
何か所か候補を挙げた上で
高速でも2時間くらいかかる所も言ったら
「そこがいい」と。
最近は特に今言ったこともコロコロ変わるので
初めは振り回されてイライラしたけど
お年寄りってこういうものなのかもしれないって思い始めて
認知症の人との接し方で
「こないだはそんなこと言わなかったじゃない!」とか言ってもしょうがない
というような記事を読んで
そうなんだと納得した
だから高齢者が何度同じ事をいっても
はいはいと肯定して聞くこと、
しかも怒られたという嫌な感情は根強く覚えているとの事なので
認知症、なかなかやっかいだなと
でもこちらがそういう認識でいれば
何も知らなかった頃より
こちらも心にとめておける分だけ良いような気がする
だからまたいう事が変わるかもしれないけど
「高齢者」で調べて
高齢者でも泊まり易そうな所を選んで
両親、私、夫の4人一部屋で一泊旅行を申し込んだ。
当日の朝、父から電話があり
母の具合が悪く、両親は旅行に行けないようなことを
また繰り返し同じ事を言っているが
いつも通り要領を得ない
母にかわってくれたら
事情がわかって
当日キャンセルになるので
私と夫と二人で行くことにした。
母は申し訳ないと言っていたけど
申し訳ないという話ではない
なにせ母が行きたいというから計画した旅行だ
誰より一番旅行に行きたかったのは母だ
だから謝らなくていい
また計画するからと
夫は無理な工程はないから
大丈夫だと思うと言ってくれたが
父が「そんな状態ではない」と言って
今回は両親の同行は見送ることとした
だから急遽夫と二人での旅行となった
(次回へ続く)