昨日、会社の荷物用エレベーターに乗ったら
「おおー」みたいに言われて見たら
前の部長だった。
私がこの会社に入った時
この部長が面接して採用してくれた人で
部長が異動になって元の会社に戻る時
「部長に拾われたと思ってるんで」と伝えたら
「なーにを」って。
何をバカな事言ってるんだっていう口調だったけど
これだけは本当に伝えたかったことだから
伝えられて良かったと思ってる
私は決して部長を好きだったわけではない
むしろ色々と不満もあった
社員とパートが部長の目の前で言い争っていた時
「声をあらげるな、甚だ迷惑だ」と言ったのを聞いたとき
「お前が仲裁しろよ」と思った
私たちの部署を「空中分解してるから、ははは」と言っていたときも
「わかってるんなら、どうにかしろよ」と思ったし。
でも年始に「今年もよろしくお願いします」と言ったら
「はい、よろしく」と言ったあとに
「あなたが頼りだから」と言ってくれた
私はあの言葉、この先も自分の中で何回も響くんだろうなと思った
あれは部長の部下を転がす手だったのかもしれないが
そうだったとしてもそれならそれでこの技はすご腕だと思うし
でも今回だけの口先だけではない感じは
日頃から「あなたが言うならオールOK」とか
パートの私を信頼してくれてるんだなと思わせてくれる所は多々あった
「ザ・部長」という感じの昭和の男で
裸の大将的なところもあるけど
表裏のない所は信頼できた
誰の前でも堂々としていた
それは前の会社(私が今いる会社)だからそうなのかと思っていたけど
部長の自分の会社に戻っても
若い部下を二人引き連れてエレベーターに乗っていたその姿、
しゃべり方、その若い部下二人の様子から
「変わってないな~」と思ったら
なんだかすごく嬉しくなってしまった
別にまた会いたいとか思ってたわけでもないけど
部長が前の会社に戻る時
「あなたなら大丈夫」と言ってくれて
「またお会いできると思います」と私は答えた
本当にあれ以来だったけど
本当に会えた
部長に会えてなんだか高揚して
エレベーターボタンを押さずに部長に話しかけてたら
私が台車をおしてたので
「1F?」と気付いてくれて押してくれた
部長、そんなこと気付く人だったんだな
一緒に働いてた時は
こんなこと全くしてくれることはなくて
そんな片りんすら見たことなかった
「お元気ですか?」
「お変わりないですね」って
一人でベラベラしゃべって
部長が下りてからその背中に
「嬉しいです」って言ったら
若い部下達は微笑んでた
私がおべんちゃらでこんなこと言う人でないことは
部長はよくわかってると思うし
エレベーターに乗って
こっちは気付かなかったのに
部長が先に気付いてくれて
私が心底嬉しそうにしてたのを
部長はわかってくれたと思う
私は演技でそんなことはできないし
絶対そんなことはしたくないから
「ああ、部長はどこへ行っても部長なんだな」
あの人はどこへ行っても
誰の前でも
あの人のままなんだ
それがなんでか本当に嬉しかった
私もこれでいいんだと思えたのかもしれない
どこへ行っても敵ばかり
その日私はこの人の前に座るのが本当ストレスという
人事のマネージャーの真ん前に座ってて
(そこしか席が空いてなかった)
目の前では人に取り入るのがうまいパートが
見事に人事のマネージャーに取り入って
またそのマネージャーが好き嫌いが激しく
相当わかり易くえこひいきするから
これで人事のマネージャーってって感じなんだけど
私はもちろんその人にも相当嫌われてて
でも私も嫌いだから
お互い嫌いだからいいですって
こっちも同じなんだよね
相当わかりやすく好き嫌い出るから
でもそれでいい
だっていつもどこでもその人のままの人って
会うだけでこんなに気持ちいいんだって思った
まあ関わらないからそう思えるっていうのは
かなりあるけど
うん、部長とまた仕事したいなんて
全然思ってないけど
でもこの感情を忘れないように
備忘録