コロナ禍に入ってから3年
家族以外とはプライベートで会う事はなかった。
今月は旧友と立て続けに会った。
まあ友人はとても少ない私なので
二週連続で一人、一人と計二人に会っただけだが
私にしては異例のペースだ。
話す話題も以前とは異なり
親の事が多かった。
一人は高校の時の友達
旦那さんの転勤が多く
地元に買ったマンションに
自分達が住んでいたことはあまりなく
ずっと人に貸して
私の住んでいる所からも
飛行機でないと行けないくらい遠い所に
10年以上は住んでいたと思う
昨年旦那さんが定年退職し
やっとそのマンションに帰ってきてくれた。
私にとって子供のいない友はこの子くらい。
貴重な貴重な同胞だ。
この子が私の家から電車で数駅の所に帰ってきてくれたというのは
私はその子がそこに住んでいてくれるというだけで
本当に心強いのだ。
その子のご両親も
お二人だけで暮らされているのだそうだ。
そこはお父さんが朝食の支度などをしてくれるという
私の親世代にしてはかなり珍しいと思うのだが
そういうご家庭だそうだ。
(私の父は食パンも焼けないという。。。)
お母さんは
「朝食がいつも同じ」とか文句を言ってるそうだけど
友達にしてみれば
「お父さんがやってくれているだけでありがたいのに」と言っていた。
元々の性格なのか
歳を重ねてなのかはわからないけど
自分の夫だけでなく
介護できてくれる人への態度へも疑問を持った友達は
自分の母に
「やってもらえなくて当たり前
やってもらえたらありがたいと思った方がいいよ」
と言ったそうだ。
母親は娘に
「悟りの〇〇ちゃん」と言ったそうだ。
母親の愚痴がすごくて気が滅入ると言っていた。
旦那さんのお母さんは
明るくて元気で前向きで
話も楽しくて
旦那さんのお母さんと話してる方がずっと楽しいって。
旦那さんのお母さんは90歳だけど
一人暮らしをされていて
家の近所に出来たジムに自転車で通っているのだそう。
2人の息子はそれぞれ
飛行機で行かないと行けないくらい遠くに暮らしているのだそう。
家の母は父が運転してジムに送迎してもらっているから
父に運転をし続けて欲しいと言っていたけど
父は認知機能検査で2度不合格になって
更新は諦めた
父は自分に認知機能の問題があるなんて
全く思っていなかったのだそう
だから相当ショックだったようで
昨日行ったら
「車が運転できないなら
家から一歩も出られない
もう自宅の2階に上がるので精一杯なんだから
自分では車なしではどこへも行けない
お母さん(父から見たら妻)は
絶対一人でも自宅で暮らすと言っているから
自分は一人で老人ホームに入ろうと思っている」と
言い出した
でもよくよく聞いてみたら
自分は家事も出来ないし
自分が家に居たら妻に負担をかけるということのようで
母と二人で話すと喧嘩になってしまうとの事で
私が入って三人で話して
乗合タクシーの説明なんかもして
介護保険使えるように要介護認定申請してみようかと話してみて
(二人目に会った中学の頃の友達と
要介護認定申請した方がいいかなって話を
ちょうどこの前日にしていたのだ)
父も母も落ち着いたみたいで
(ちょっと人に話すことで
たとえ解決の糸口さえなかったとしても
話すことだけで落ち着くって話は次回書きます)
夕飯はいつものファミレスへ行った。
ファミレスも座席を取るところから
注文からみんな機械になってしまって
もう父と母だけではご飯も食べに行けないと言っていて
でもこの時は二人とも楽しそうだった。
2人とももう記憶も怪しい所が多くなってきて
今日ここで楽しく食事をしたことも
次に会ったらもう覚えていないのかもしれないけど
それでもいいと思った
さっきまで深刻に悩んでいて
憂鬱で沈み込んでいた父と
「お父さんと話してると暗いことばかり」と言ってた母も
今は二人とも楽しそうに
美味しいと言ってご飯を食べている
それでいいと思った
同級生達に親のことどうしているか
色々教えてもらって
父と母が
少しでも楽しく、
本当に些細なことでいいんだ
この日、実家の部屋から前の畑に
綺麗なキジが来ているのが見えた
こういうことでいいんだ
日々の暮らしの中に
何か少しでも心が明るくなることがあれば
記憶になくなったって
今、楽しく過ごして
そういう一瞬があれば
長生きが
ただ辛いだけのことにならないように
酒井順子さんの本に書いてあったけど
「長生きは本来喜ばしいこと」
「長寿をことほぐ」なんて言葉があったこと
みんな忘れかけてしまうくらい
今は長生きのリスクとか
長生きがあまり嬉しいとは思えないような事の方が多い
実際私も会社員だった頃は
60歳になったら会社を辞められる
そこまでは私の人生はただお金のために
辛いだけの人生を送る
だからそれ以降は幸せに暮らすんだと
それだけを心の支えにしていたようなものだが
今となっては
そう長生きをしたいとも思わない
会社員時代
「そんなに長生きしたいとは思わない」と言っていた
同じ会社の人を見て
その時私はとても驚いて
この人はきっと今が幸せなんだろうなと思ったのをすごく覚えている
その時の私は
長生きしなければ
ただ辛いだけの人生で終わってしまうと
強く強く思っている最中だったから