前回の続き
家に帰ったらもう夕方で
ああ、もうすぐ夫が帰ってくると思ったら
心底憂鬱になった
そのせいか気持ち悪くなって
夕飯を食べる気はなくなった。
さっきまであんなに楽しかったのに。
夫の分だけ夕飯を作る
自分が食べなくても夕飯を作る奥さんと言うのは
世の中にもたくさんいることだろう。
夫が帰ってきて
私の席には食器が何も置いていないから
夫「夕飯食べたの?」
私「食べてないよ」
夫「俺の分しか用意されてないから」
私「気持ち悪いから、夕飯は食べない」
夫「そういうこと」
・・・
自分のことで精一杯なのはわかる
いつも自分だけが大変だと思っている
私の調子の悪さには興味がない
まあお互い様か。
まあこういうのが最近の日常だ。
今日、1Fの入り口からインターホンが鳴る。
宅配便の人だ。
宅配便、なんだろう。
「俺は買ってないよ」と言ってる。
私も買ったものはあるけど
メール便でポストに入るはずの大きさのものだ。
いつもそうだけど
土曜日などは特に
これから部屋に来るまでに
とても時間がかかる。
この業者さんの場合
本当に大げさではなく
だいたい30分以上後にくる。
大規模マンションだから
回るのに時間がかかるのはわかる。
特に土曜日などは荷物が多いのだろう。
それにしても
これも前にも書いたかもしれないが
うちは一番最後に来る確率が非常に高い。
他に荷物を持っていない
大きなカートが空になっているからわかる。
しかも特定の業者だけではなく
どこの業者もうちを一番最後にしているようだ。
多分業者同士の口コミで
あの家は最後にしても怒らないと
出回っているのだろうと思っている。
まあそんなの確かめたこともないし
私の勝手な想像だけど。
でも思うんだ。
以前親しくしていた宅配便のおじさんが言ってた。
遅いって怒る人
うるさいって怒る人
逆に聞こえないって怒る人
同じマンションにも色んな人がいるんだなと思った。
宅配便の人って
大抵いつも走ってる。
少しでも早くしようとしてくれてるんだろうなと思う。
それでも文句言われて。
「大変遅くなりました」
たいていそういって届けてくれるけど
いつも「いえいえ。お疲れ様です」って答える。
良い人と思われたいっていうより
本当にお疲れ様って思うんだ。
私にはできないなと思うし。
玄関前にいる人が持っているのは
大きな箱
「なんだろう」
届いた荷物は私の父から夫へのものだった。
梨だった。
なんで父が夫に梨を送ってくれたんだろう。
けどこれでなんだか険悪な雰囲気が和んだ。
父や母や、ご先祖様や色んな存在が
私たちのギスギスを
なんとか和ませようとしてくださったのだと思った。
(私たちがギスギスしてることは両親は知らないけど)
宅配便業者の中で
家はマンションで一番なめられてるのかもしれない。
もしかしたらマンションで一番良い人と言われてるかもしれない。
何かで読んだけど
本当の本当に誰が何を考えているかなんてのは
絶対にわからないんだ
だから自分の都合の良いように捉えたらいいって。
全くその通り
ほんとのほんとなんてどうせわからないんだから
私はマンション一、心の広い人ってことにしとこう。