今までずっと
アパレルの店長さんをされていた社員さんが
異動で来た。
パソコンは全く使った事がないという。

仕事上、この人と関わると、色々と面倒はあるけど
人としては良さそうな人だとは思っていた。

こないだ辞めたパートの同僚が
この人が来る前に
「もうさ、仕事が出来るとかそういうのはいいから
 今度来る人には『良い人』に来て欲しい」
と言ってた。

そういう意味では、同僚が望む人が来たんじゃないかとは思う。

パートから仕事を教わることにも
全く抵抗がないようだし、
第一歳は私の方が幾つか上だとしても
こっちはパートなのに
少しもパートを見下すところがないところが
私がこの人の一番凄いなと思ったところだった。

こないだこの人に
「パートを見下さない」って言ったら

「私は人を見下すってしないです」
とキッパリ言われた。

胸がズキンとした。

もしかして人を見下していたのは
私の方かもしれないって。

社員なのに、なんて頼りにならない人だろうと
教えるのにもとにかく時間がかかるし
私とはくらべものにもならないほど
高いお給料もらってるくせにって。

いつもなんだか自信なさそうなこの人が
本当にきっぱりと言った。
こんな堂々としている姿、初めて見た。

自分が恥ずかしくなった。

「〇〇さん(←私のこと)に教えてもらいたいことがあるんです」
ってその日も。
「これねー、小さくて見えないから
 わからないけどハンコ押したら
 部長にわからないのにハンコ押すな、
 〇〇さんに教わってこいって言われたんです」って。

こういう素直さっていうのかな
ちっとも自分を良く見せようとしないところ、
ありのままの姿

「私、頭悪いから」とかいうし。

そんなことないんだよ。

私は接客業なんて絶対の絶対に出来ないからね。
この人はきっとこういう人柄で
お客さんにも、部下のスタッフにも
好かれていたんじゃないかなと思う。

人に上とか下とかないっていうけど
私、上から見てたかもしれない。

人と接するの、全然好きではないけど
やっぱり人と接することでしか
気付けないことってたくさんある。

人と関わるって
怖いことも、嫌なことも本当にたくさんあるけど。

仕事がどうこうとかより
人としてもっと大事な事
この人に教えてもらった。

「私、人を見下すってしないです」

私もそうやってきっぱり言えるような
人になりたいと思った。