昨日の続き
明日が最終出社日という日、
同じ課の女性から
「あす同じ部の女性全員でランチしませんか?」とメールが来ました。
自主退社ではないし
同じ部の女性と親しかったわけでもないので
明日が最終出社日だと知っている同じ課の女性だけならと
同じ課の女性だけでランチすることにしました。
同じ課の女性だけなら私を含めて3名です。
それならいいかなと。
そしたら最終出社日当日に
「夕べ、数ヶ月前に辞めた同じ部の女性とメールのやり取りしてて
○○さん(私のこと)が今日最終出社日だから
同じ課の女性でランチすると言ったら来たいと言ってるんだけどいい?」と
聞かれました。
私は誰にも自分から退職することも
今日が最終出社日であることも
手続き上必要な人以外には言ってないし
最終出社日にも
同じ部の人に言うつもりはないと昨日言ったのに
勝手に他の人に話すかね~とは思ったけど
その人ならいいかなと思いました。
でも会社辞めてるのにまたランチにくるなんて
まあよくあることだけど
以前から私には全然考えられないことでした。
自分だったら会社を辞めたらもう会社の近くには行きたくないし
ましてや同じ部署だった人と一緒に食事したいなんて
全く思いません。
でもわざわざ昼休み1時間のために
出てきてくれるなんて申し訳ないような
ありがたいような気がしました。
そして最終出社日は4人で私が数年前はランチ友達と
毎週のように通っていたお店をリクエストして
そこへ行きました。
今日で最後だと思うと
同じ課の女性とも気を遣わずに話せました。
もう会うこともないであろうこの人達と
気楽に最後のランチができて良かったです。
最後別れるとき
同じ課の女性2人からはクリスマスのお菓子と
辞めてからわざわざ来てくれた女性からは
アロマライトとアロマオイルを頂きました。
そうだ、前日に台湾支社の人からも
「○○さん(私のこと)が人員削減の対象になって
明日が最終出社日だと聞きました」とメールが来ていたんだった。
全くどこまで話が伝わってるのか・・・
同じ課の人までしか通知しないと言ってたのに
人の口に戸は立てられないとは全くだと思いました。
その台湾支社の人がちょうど明日私のいる事業所にくるので
お土産渡したいから時間くださいと書いてあったので
最終出社日は静かに去りたいのでと
丁寧にお断りの返事を書いたのですが
その人も結局プレゼントをくれました。
夕方、パソコンを返却する直前に挨拶メールを書きました。
これは恒例で皆さん退社されるときには
宛先を自分に、Bccに送付先を入れて出されるのですが
恐らくメーリングリストを使って全員に出されているのだと思います。
少し前にやはり何十年も一緒の会社に勤めていた方からメールがきて
「この人も辞められるのか」と思っていたら
後ろの島の席の人が「△△(このメールの差出人)って誰?」って
隣の人に言ってたので
こんな全然付き合いのなかった人にまで出したんだなと思ってました。
そのメールはその差出人らしい
ウィットの聞いた文章で
もうずっと交流もなかったけれど
短い文章の中にもその人らしさがよく表れているなと
こんな場面にはふさわしくないのだけど
なんだかほっこりするような気持ちにもなりました。
「△△さん、私も辞めるんだよ~」と思いながら。
私はずっと前から自分が辞めるときは
本当に挨拶したい人だけに連絡しようと思っていて
社員全員のアドレスを、あいうえお順の一覧から
一人一人探すのは大変だろうけどと思っていたけど
今では社員もずいぶん少なくなっているので
そんなに大変ではありませんでした。
それに私が挨拶したい人なんて
片手で足りるだろうと思っていたのです。
あいうえお順を「あ」から一人一人見ていくと
本当にもう交流はないけど
数十年前には楽しく交流させてもらっていた人が
まだこんなに残っていたんだなと思いました。
一人一人の名前を見て
「この人には出そう」という人をBccに追加しながら
一人一人の方との思い出を思い出していました。
嫌なことばかりだったと思っていたけど
楽しかったこともあったなと
そして結局30人位の人に出すことになって
こんなにまだ感謝できる人が残っていたんだなということに
驚きました。
メールを受け取った人は
きっと私が全員に出していると思っているだろうけど。
旧ブログに書いた気がしますが
これまでで最も大きな人員削減があったとき
毎日のようにこういうメールがたくさんきて
送別会もたくさんあって
「お金かかるし嫌になっちゃうよ」と言ってる人がいて。
そういう人に送別会に来てもらいたくないよねと思ってました。
もちろん私に送別会はないですけど
あったとしても絶対断ります。
その当時、私の同期だった人の送別会が
その人含めて4人のがあって
その人が最後に飲みたかった人ということで
その人以外の3人はほとんど交流がなく
「面白いメンバーだね」と言ってたけど
なんだかみんなリラックスしてて
付き合いで仕方なく来てる人がいない送別会は
雰囲気もいいものだなと思ったのをとてもよく覚えています。
労働組合を脱退する手続きも必要だったので
同じフロアの人が組合長だったということを
その時初めて知ったのだけど
この方には退職することを言わなくてはいけないから
メールしたら文頭に
「長年に渡る勤務お疲れ様でした」と書いてくれてあったのです。
極めて事務的な文章といえばそうなのかもしれませんが
私はこの方とは同じフロアーとはいえ
全く話したこともなく
初めて話した(メールですが)のに
こんなことを言ってもらえるとは全く思っておらず
(他の手続き上のやり取りをしている相手とは誰とも
本当に必要なやり取りのみで挨拶のようなものは全くなかったので)
感動してしまいました。
この方も組合長として
こういう手続きは何度もしておられるので
定型文なのかもしれないけど
最後の最後に予想もしていない労いの言葉をもらえて
とても嬉しかったです。
そしてパソコンを返却する前に
担当部署の人の予定を見たら
返そうと思ってた人は長期休暇中
(短期と書いてあったけど1ヶ月くらい休暇中)で
それならこの人かなという人の予定を見たら
有休消化と書いてある。
?
そして私と同じ退職日に
「祝!退職」って。
この人もなのか。
暇な人や興味のある人は
この予定表を見れば
誰が人員削減の対象なのか大体はわかるはずです。
人事は一応非公開で予定を入れてくれているけど
人事の非公開予定と同じ時間に非公開予定が入っている人は
まず対象と思って間違いないでしょうから。
でも私は自分以外の人のことは詮索しなくてよいと思って
特に見てはいなかったけど
まさかパソコンを返却しようと思っていた人までとは
私の中では驚きでした。
夕方こうならないようにこつこつ持ち帰ってはいたものの
やはり大荷物になってしまった私は
もうコートも来て
最後、社員証を返すために人事に行きました。
部屋に入るといつも私のフロアーで夕方お会いする
お掃除の方がおられました。
お互いちょっと驚いて
そしてその方は私の格好(大荷物でコートも着ているの)を見て
ただならぬものを感じたのでしょう。
人事に社員証を返してからその人のところへ行くと
「辞めるの?」
うなずく私に
「さみしいわ。いつも挨拶してくれてありがとう」って。
先に言われちゃった。
この方、中国の方だと思うんです。
カタコトの日本語で、挨拶とか簡単な会話しかしたことはないけど
いつもお互い顔を合わせると
例え同じビル内の別のフロアーでも
お互いに「あ!」って顔を一瞬したあと
知り合いに会った時特有の安心した笑顔を交わし合うのが
私にとってどれほど支えになっていたか。
私のブログのヘッダーに書いていますが
この方の笑顔は毎回
まさに私の心にぽっと小さな灯を点してくださってました。
なんの言葉も交わさなくてもお互いに安心した笑顔を
交わし合う。
最終日の最後の最後にこの方に会えて本当に良かった。
「私こそ、いつも笑顔で・・・ありがとうございました。
お元気で」
これが私の最終出社日、会社を出るときの
最後の言葉になったことを感謝したいと思いました。
全てが最適に調整されている。
私がどうこうできることではなくて
そう調整してくれていると。
家に帰って
「ああ本当にもう明日から二度と会社に行かなくていいんだな」と思いました。
夕飯を作っている間に夫が帰ってきて
玄関に入って来たとき
いつものように(上がってしまうともう嫌になってしまうだろうから)
「(夫が買ったものなので大きさがわからないため)
宅配BOXの荷物先に取ってくる?」と声をかけると
「それどころじゃない」と言ってるので
どうしたのかと玄関に出ていくとなんと
全く予想もしていませんでした。
更に「おめでとう」なんて言ってる。
もう笑ってしまいました。
「おめでとうなんて言う人いないよ」と言うと
「なんで~」なんて言ってる。
全くこの人は。
この人以外の人におめでとうなんて言われたら
相当腹が立つでしょうね。
人徳というか、なんだろう。
なんだかこんなこと気を遣わず言ってくれる人が夫で
良かったと思いました。
私「こんな時間によくこんないいお花がまだ残ってたね~」と言うと
夫「ネットで注文しておいた」って!
更に驚きました。
いつも自分の世界に没頭していて
私の話を聞いてるのか聞いてないのかという自由人のように見えたけど
いつの間にかこんなことしていてくれたんだな。
しかも本当に私の好みの感じで
私「すごいねー。よく私の好みがわかったね」と言うと
夫「40代、退職祝い」とか入れると出るんだよだって。
私「退職祝いじゃないよ~」
夫「おめでとう~」なんて
いつものようにちょっとずれた感じで
のんきなことを言ってると思った瞬間
今度は涙が出てきました。
ありがたいです。
私にとっては良い最終出社日になったと思います。