熊ものに弱い

もちろん本物の熊に出会ったりしたら大変だが
キャラクターとしての熊にめっぽう弱い

なるべくお金を使わないように
小さな小さな暮らしをするように
日々心掛けている。

夫も同じような金銭感覚の人で本当に良かったと思う。
正反対なことの多い私達の
数少ない、そして大事な共通点だと思う。

会社に行くのが本当に嫌で
休職明けても全然変わらなくて
土日だけを楽しみに
平日はなんとか無事にやり過ごすことだけを考えて

そんな私が平日に少しでも楽しみを見つけようと思っていることは
あまりに些細だけれど
きっとこんな小さな暮らしをしているからこそ
感じられるんだなとも思う

私からしたら部長レベルの人はもうセレブだ。
このセレブ達には決してわからないだろうなと思うと
なんだか嬉しくもなる。

マックが無料でくれるホットコーヒーが
この日の一番の幸せだった。

この緊張しかない(しかも私一人が勝手に緊張している!)職場で
本当にカフェインが緊張をほぐしてくれるのを
体で実感できる。
それほど一日中緊張しているということで
これでは休職前と本当に何一つ変わっていない。

そうだ、話を戻す。

この間の土曜日、大好きなショッピングモールへ行った。
これも以前聞いたことがあるが
今の若者は自分の身の回りのごく近しい人と
すぐ近くの地方の大型ショッピングモールに行けば
もう満足。
お金を使わず、遠くへ行きたいとも、人脈を広げたいとも思わない。
そんな若者を少し見下しているような記事にも思えた。

私はそんな若者の親世代ではあるが
まったく感覚は同じだ。

家の近所の都市部のショッピングモールではなく
わざわざ一時間以上もかかる地方のショッピングモールへ行くのが
このところの私の一番満足する休日の過ごし方だ。

その中の100円ショップと300円ショップへ行くのが
とにかく楽しい。

服もできるだけ買わないようにしている。
合併してから好きな服は着ていけないし
会社の規定にあるようないわゆるオフィス向けのような
OL風の服装は全く好きではない。
私の好きな服はもう休日しか着れないので
買わないようにしているし
会社にはいつも同じ無難な服でいいやと思っている。

で、その日も100円ショップと300円ショップでだけは
買い物をしてもいいと思っていたら
夫がYシャツを見たいからと言って
いつも通らないところを通ったら
なんと見つけてしまった。
好みのクマを。

チェーンがついていて
某テーマパークのものだったら
1000円はくだらないだろう(もっとするかな?)

ここのクマも一応ブランド物だったから
買えないなと思った。
そしたら以外に数百円だった。

全く必要なものではない。
買って何に使うのかもわからない。
もったいなくてカバンにぶら下げたりはできないだろう。

でもどうしても心惹かれる。

夫のYシャツコーナーに行っても
まだ後ろ髪惹かれている。

「やっぱりあのクマ買ってもいい?」と言うと
なんということでしょう乙女のトキメキ

「買ってあげるよ」って。

私と同じ、いや輪をかけて財布のひもが固い夫が
誕生日でもクリスマスでもないのに
こんなことを言ってくれるなんて!

そのぬいぐるみは何体もあったが
一体一体味わいが違う。

最近実店舗で何か買うというのは
生鮮品以外ではめっきりないが
通販では買えないなとつくづく思った。

家にはクマのぬいぐるみはたくさんいる。
もうこれ以上増やしてはいけないといつも言い聞かせている。
それなのにまた買ってしまった。

だけど私用の収納棚の中に納まっているその子を見かけると
なんとも優しい気持ちになる。
優しい笑顔が自然に出ていることがわかる。

こんな風に自分の全然知らないところで
自分の全然知らない人の心に灯をともして
支えになるものを作れる人ってすごいなーと
つくづく思う。

私を支えてくれる音楽を作って
歌って表現してくれる人たちや
言葉で私を支えてくれる文章を書く人たち。

私のブログもどこかで誰かにそんな風に思ってもらえたらと思って
始めたのだった。
どこかで誰かがそんな風に思ってくれていたら
私は自分がこの世界に存在している価値があると思える。

私は一人で家にいるのが何よりも幸せを感じると思っていたけど
音楽も、このクマも
私以外の誰かがこの世に存在してくれて
その人の、その人だけの能力を発揮してくれているから
受け取ることができている。

人と関わりたくないと言ったって
結局人に支えられているんだ。

心屋仁之助さんのおっしゃるように

「支える人と支えられる人が入れ替わったりして
 支える喜びと支えられる喜びを両方味わえる」

そんな人に私もなりたいなと思う。