前回からの続き

結局みんなはずっとチューハイを飲んでいた。

私は全部で10種あるクラフトビールが気になっていたので
またお試し3種を頼む。

自分が来てみたいと思ったお店に
まだそんなに親しくない人たちと来る。
そんなことができている自分を少し成長したかなと思う。
私はビールの写真しか撮ってなかったけど
他の人達はお互いを撮り合ったりしてる。

みんなそれぞれだ。
ずっと独身の男子、
バツ1の男子、
離婚して再婚して新婚の女子、
そして私。

男子の一人が途中から行き始めた会社で
偶然この女子に再会したのだそうだ。
そんなことあるんだな。
中学の同級生が同じ会社になるなんて。

なのでまあ私以外3人は割と通じ合っている感じはする。
それでもなんだか私はこの3人が好きだ。
中学の時はほとんど付き合いがなかったのに。

私が話をさえぎって話してしまったとき
(私、そういうことされるの本当に嫌なのに
 自分がしてしまってる!
 夫がいつもさえぎって話してくるのが本当に嫌で
 嫌だと言ってもやめてくれなくて
 されればわかるだろうと
 対抗してたら癖がついてしまったのかも!!
 もうこんなことしないにしよう。
 誰に対しても!!)
みんな黙ってくれる。

普段夫以外の人と誰とも話しないから
自分にそんな癖がついてしまってたことにも気づいていなかったんだ!

悪いなと思うけど、優しいなと思う。
みんなちょっと悪そうなのに。

そしてまじめな感じもする。
集合時間、早く着きすぎて本屋に居た。
5分前くらいに集合場所に行ったらもう全員居たし。

みんな大変な仕事なのに
受け入れて働いてる。

お互いに撮り合った写真をクラスのグループLINEに載せるとかいうので
「私のは載せないで」って頼んだ。

同窓会以来、少人数での集まりはあちこちであるみたいだ。
でもそれはそれ。

私はSNSとか全然やらないんだけど
そんなことみんなに知らせなくていいと思ってるから。

「見たい人もいるかもしれないだろー」
「見たくないよ。私以外のは載せていいからさ」

さて男子が
「次に行こう。どこがいい?」って言うので
「ここは私の来たい処に来てもらったから
 皆さんのお好きなところでいいですよ」

とりあえず出てすぐの中華のチェーン店の看板を見て
「こういう処でいいよ」と言ってる。
ここは私の好きなお店だ。

「マーボー豆腐も担々麺もおいしいよー」と言うと
「知ってるのかよ」だって。
「ここ好きだよ」と言うと誰も知らないと言う。

すぐ席に案内してもらえたけど、お昼時なのでほぼ満席だった。

「落ち着く?」と聞くと
「まだ。混んでるから」だって。

でもさっきよりは数段居心地が良さそうだ。

そこでね、何気ない会話をしてたら
「いい女だな」って言ってくれた。

私、こんなこと言われたの人生で二度目だよ。
以前ブログに書いたけど
「人の言葉は百回響く」って。
これ、間違いなく残りの人生の間中ずっと響く。

私は自分が女性だと意識したことがあまりない。
というか意識しないようにしていた。
今は男も女も関係ない
平等に働けという社会だし
今の会社もまさにそういう会社だ。

合併前の会社はいかにも日本の古い会社という感じで
男女の役割がかなりしっかり分けられていた。
私にとっては働きやすかったのかもしれない。
今の会社になってから水を得たように働いている女の人は
合併前よりずっといきいきしている。

それにいわゆる「女っぽい」人を私はあんまり好きじゃなかった。
自分は出来るだけ中性的というか
むしろ少年っぽくあることを好んだ。

この人達と再会してから、自分の中の女性性を肯定できるようになっている気がする。
そしてこれまたちょうどよく例の私の信頼するヨガの先生が
そういうプログラムを出していて
というか少し前からやっていたのだけど
その頃は「そういうのなら私には関係ないや」と思っていたのに
ほんの数か月で「やってみたい」と思うようになっていて
そして今、受講している。

「少し先の自分が何を望むどんな人になっているかわからない」という言葉を本で読んだとき
「そうならいいけど、私は全然変わらないな」と思っていたから
「ああ、自分にもそういう時が来たんだな」となんだかわくわくする。