「HRちゃんも本当にいい人だもんね。
 ゆうちゃんとも本当に仲が良かったもんね」

「HRは本当にいい人。
 仲が良かったかどうかはわからないけど
 私はHRが大好きだった」

「あ、ゆうちゃん、前もそう言ってた」

「HRはいい人過ぎて心配だったもん」

「あー、それも言ってた」

「中学の時も怖い系の人達に利用されてるんじゃないかって。
 『HRの人の善さを利用するんじゃねー』 って腹が立ったことあったもん。

 HRが最初の子を産んだ後だったかな。
 知ってる人が誰もいない九州で
 『地域の人がみんなで子育てしてくれる』って言ってたのを聞いて
 本当にすごいなと思った。」

「そんなこと言ってた?」

「言ってたよ。それ聞いて、この人は本当にすごいと思ったの。
 きっと心細いこともたくさんあるだろうに
  いつも楽しいこととかしか言わないよね。

   でね、『HR、本当に強くなったんだな』って思ったの。
 『もう心配いらないって。いい人過ぎて誰かに利用されたりしない、
 ちゃんと優しくて強いお母さんになったんだって』
 っていうか、人の心配してる場合じゃないよね。
 私、本当弱いもん。あまちゃんだし。
 お前が強くなれって話だよ」

「ゆうちゃんがもしあまちゃんだとしても
 純粋なんだよね。
 私なんて中学の時からすでにすれてたからさ。
 ゆうちゃんにはそのままでいてほしいよ」

今思い出したけど
私も夫もなんというかふわふわしてて
地に足がついてない感じというか
浮世離れした感じに世間からは見えると思う。

結婚するとき
9つも年下の妹が
(さすがに私には言わなかったけど)
父に「あの二人、二人ともあんなんで
世間の荒波を超えていけるんだろうか」と言ったんだってもの・・・

それで父は
「お前はしっかりしているから危なっかしく見えるだろうけど
 あの二人は二人ともああいう感じだから
 お互いそう思わないんだろう」
となんともフォローにもならない返事をしたそうだ。

でも本当に妹の言ったとおりだ。
私は世間の荒波に飲まれて休職した。
復職しても休職前と何も変わらない。
HRの心配するなんて全くお門違いだ。