「ゆうちゃん全然変わってないね」
「でもね、同窓会の時も誰か言ってたけど
『変わってないっていうか、戻っちゃうんだよね』って。
Sちゃん、私が会社にいるところ見たら
『あれ、ゆうちゃん?!』って思うよ。
そういう意味では本当に変わってしまったよ。
会社では一言も発しないし」
「想像できない。
ゆうちゃんって、ゆうちゃんのお母さんみたいに
明るくて楽しくて、誰とでもそうやって話せるじゃない?
さっき二人で話してるの見て、本当にそっくりだと思ったもん」
「全然!お母さんとは見た目はそっくりだけど
性格はまるで反対だよ。
お母さんみたいな性格だったら
もっと楽に生きていけるのにといつも思うよ」
「えー!見た目だけじゃなくて話してるとき
本当にそっくりで微笑ましい二人だなと思ったよ」
あ、これ、同窓会に招待したこれも同じ部活の子の
お母さんが昨年亡くなったと聞いて
母と二人で横浜までこの子に会いに行ったとき
同じようなことを言われた。
「ゆうちゃんとお母さんが一緒にいるのが
なんだか羨ましく思えてしまって。
二人のやり取りが微笑ましくて」って。
「この子(Mちゃん)のお母さんとうちの母は
私達が幼稚園の頃から市のテニス教室みたいので知り合った友達で
私達もそれぞれ母と一緒にテニスについて行ってたから
その頃から知り合いで
幼稚園は別々だったんだけど
小学校は一緒だねって言ってたら
小学校で同じクラスになったんだ。
でもその子は低学年までで大阪に引っ越してしまって
それで中学の途中で戻ってきたでしょう?
それでうちの部活(テニス部!)に途中から入ったんだよ。
大阪からこんな巨大中学に戻ってくるのは
どれだけ心細かったろうね。」
この話は初めてしたかもしれない。
Sちゃんも、「初めて聞いた」って言ってた。
私がMちゃんを同窓会に招待したって言ったら
意外そうだったので話したのだ。