今度こそ生まれ変わったと思いたかった。
でもまだ気付いただけだ。
行動も現象も何も変わっていない。
これではコーチングで「あがりです」と言ってもらったときと
同じだ。
社内には休職して復職して辞めた人もたくさんいるけれど、
別の部に異動して、それこそ生まれ変わったかのように、
憑き物が落ちたかのように
楽になったように見える人もいる。
その人本来の姿でいられるようになったんだなと思う。
「どこの病院でどんな治療をしたんですか」と
聞きたくなってしまう。
パニック障害だったと言っていた人もいた。
全くその片鱗も感じられない。
頭が良くてきちんとしていて
この人が担当してくれていたら安心と思える人だ。
今では都内に転勤になって働いている。
電車にも乗れるんだろう。
それもこの辺ののんきな電車ではない。
都内への通勤だ。
克服してまるでそんなことなかったように働いている人。
私の隣の席の人もそうだ。
この人も新入社員の頃から知っているが
およそメンタル的にダメージを受けるような人ではないと思っていた。
とにかく強い人だ。
何があっても一人で大丈夫という感じの人だ。
親分みたいな人というか。
ここまで変わって初めて「生まれ変わり記念日」と言えるだろう。
「おめでとう、あがりです」
「ありがとう」と言えるだろう。
ああ、せっかく、せっかくここまで来たのだから。
憑き物が落ちてスッキリとしたところまでは来れたのだから。
気分だけは生まれ変わった気分なのだから。
なのに自分も周りもまだ何も変わっていない。
あと一息だ。
それは私にとってはかなりの勇気が必要だが
もう戻りたくない。
本当に生まれ変わりたい。
行動を変える以外に方法はないのだろう。
いつもここまでだ。
わかっているのなら、あと一歩だ。
最後の一歩がいつも踏み出せない。