月曜日から頭痛が出ては一度治り、
また翌日から頭痛、薬を飲み一度治り、
また翌日からと繰り返していた水曜日。
その時も「また薬を飲まないと」と思いながら
執務室を出て廊下を歩いていた。
エレベーターを降りた
別のフロアから来た同じ会社の人。
この人が新入社員の頃から知っている。
この人ももう50代前半位だろう。
4月に同じ場所で会った。
私が休職していたことを知っていたようだった。
「(復帰は)いつからですか?」
「今年から」
「4月から?」
「1月から」
「元気ですか?」と言ってくれた。
「またよろしくお願いします」と言ったら
「今頃すみません」って。
この時も泣ける程嬉しかった。
こんな風に気遣ってくれる人がいたなんて。
全然思ってもいなかった。
今日も向こうからこの人が歩いてきたので
進路を邪魔しないように避けたら
向こうも同じ側に避けて
おどけてくれた。
20代の頃と同じ笑顔で。
そしてすれ違いざまに今日も
「元気ですか?」と言ってくれた。
これはまさに私が自分で言っている
「人の心にぽっと小さな火を灯す」行為だ。
辛くて苦しくてみじめなだけの会社生活だと思っていた。
この時も頭痛でひどい顔をしていたはず。
それがこの人のちょっとした優しさで
ぱっと笑顔になれる。
ブログにも書いたような気がするが
まじめで優しい人が幸せに働ける社会になりますようにと
この人に会うといつも思う、
自宅の配達区域担当の宅配便のおじさん。
もう引退後のお小遣い稼ぎで悠々自適なのかなと思っていた。
男性なのにコミュニケーション能力がすごく高くて
うちのマンションに出入りの色んな業者の人と
楽し気に話している姿をよく目にする。
でも私にはよく本音を聞かせてくれる。
そのお陰でこの人の仕事の大変さがよくわかった。
同じマンションの住人にも色んな人がいることや。
先日、マンションの1Fの廊下で向こうからこの人が歩いてきた。
もう家で会わなくても、外でも私だとわかってくれる。
手にもっていたノートみたいなもので
顔を出したり、隠したり、どじょうすくいみたいに
おどけながら歩いてきてくれた。
その時も同じことを思った。
「この人も私の心にいつも小さな火を灯して
ぱっと笑顔にしてくれるなー」と。
みんな大変なことを抱えながら
それでもこうやって他人を思いやることができる。
毎朝通るハローワークの前、
誘導の人の一人と顔見知りになったので、
毎朝挨拶してくれる。
そのときも私にはちょっと何か
楽し気なリアクションをしてくれることがあって
私もぱっと笑顔になる。
本当にちょっとしたことなんだけれど
それができる人って本当に素敵だと思う。
私がブログでそれをしたいと思っていたけど
何も言葉を発しなくとも
しぐさや笑顔で
人の心に火を灯し
ふさいでいた心をぱっと笑顔にしてくれる人。
向こうは本当に誰にでもしている
何気ないことだったとしても
私には泣ける程嬉しい。
幸せを感じるレベルが低いというのは
とても幸せなことだと思う。
毎日会社のビルを出て
ビルの植え込みからペチュニアの香りがしてくると
「はー。今日も終わったんだ。帰れるんだ」と
心から安心する。
家でチーかまを食べるのはプレミアムな日だ。
こんなことで幸せを感じられるなんて
セレブにはできないことだもんね。
セレブより幸せだよねとよく話す。
幸せをちゃんと感じていこう。
悪いことばかりが目に付くけれど
本当はちゃんと幸せなことも
信用できる人もいたんだ。