⑧刑務所・・・ | じりじり『人生こんなもの』

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じりじりジィの『自叙伝』? 青春から壮春へ! くたばる前に? 書き留めて置きたい色々!!!じりじぃ鄕?になる前に・・・えぇ加減な奴が、えぇ加減に生きて来た? えぇ頃加減な雑記帳です!笑い飛ばしながら、読んでください
精精精

死んでも終わらん⑧

文太の逮捕事件に、
塚原兄妹、つまり早紀のおじさんおばさん達は、どうやら慣れっこ?みたいで、誰も驚く人は無く。
ごく自然体で早紀を受け入れ、また同じ年頃の娘達(いとこ)も居て、早紀一人の面倒ぐらいいつでも見てやるから心配するな!と言う感じで・・・とても仲のいい兄妹だった。

本家の長男だけはぶっきらぼう?だったが・・・さもあらん!
本家の長男夫婦なのだから、世間体と言うものがあるのだろう。

しかし皆、純子の事だけは何故か嫌っていた。

その後、早紀が妊娠を打ち明け!・・・

やがて?伸二も兄妹達との面談を許されるようになってきた。


彼らは意外に前向きで?早く早紀が独り立ちしてくれる事を願っている様にも見える兄妹だった。

長男は別として、次男の兄夫婦も文太の妹夫婦も伸二を快く迎え入れてくれる様になった。

勿論!!!
早紀の一途な説得による賜物なのだが?・・・

文太の妹夫婦が遠方?に住んでいた事もあり、此処まで来るには多少の?時間がかかった。当たり前の事である。


その間に何故か?、早紀が伸二の部屋に居る事が純子にバレてしまい、
シラをきる伸二をヨソに部屋を訪ね、居留守!のベランダから侵入?

二階の角部屋だから雨樋を伝って登ったのだ、小柄だからか身軽な女である。
何故こんな処に?
早紀を宥めすかし続ける純子に・・・疎ましさを払うように早紀は妊娠とその覚悟を投げ付けたのだった。

この時初めて?子を産む覚悟を決めた!早紀だった。


純子は、
それはもう大騒ぎ、大変だ!大変だ!と騒いでみても、誰も賛同する味方がいない?ホテルの従業員さえ二人の応援者であった。

そして純子は拘置所の面会室でその事を文太に伝えた?むろん文太が暴れ狂ったのは想定の事。
かわいそうだが此処で良かった?・・・と言うしかない。
面会室で暴れたり暴言を吐いたら、次の面会が許可されなくなるそうだ。

もしかしたら?殺されてたかも知れない、じゃ無くても半殺し!それだけじゃ済まなかっただろう?たぶん・・・

運が良かった!だけ?である。

ガラス越しに会えば、何とか分かってくれるだろうと、随分肝の据わった
伸二であった。
往生?するしか無かったのだ・・・


多分?純子は本家の長男夫婦から情報を入手したのだろう、と早紀が言った。

子を産むなら籍を入れよう!と伸二が言った、うん!と早紀がうなずく・・・

これでいいのだ!親父さんの面会に行かなくちゃ?何としても了解を得るのだ!難しいけれど?・・・

私の言う通りにして!と早紀が言う、何か目算が有るようだ。
と言うより親子である、
段取りを間違えたら厄介な事になるのは承知の付き合い、永い付き合いの父娘である。
彼女に従うしか無い、ただ気になるのは純子の言動だけ。

何故か不可解な女になって来た・・・???


面会は、なかなか許されるものではない。
拘置所では月に一度、一等親族の一名のみとされる。純子に先を越されたらもう会えない、無言の争いみたいになった。


それから裁判となり、××県××宮に近い××町の山奥、××刑務所へ服役となった。二年半の懲役である。

時が来て、やっと面会が出来るようになっても、顔を見たら又暴れそうだ!と言う理由で伸二の入室はずっと本人から断られ続けた。

6月で早紀は18歳になった、お腹も少し目立って来た。入籍を済ませ、寮から社宅へ転居した。

純子も仕方なく諦めたようだ。月二回の面会が許されるようになった頃、
純子と早紀の日を決めて面会に通うようになり、暑い夏を乗り切った。

この年、台風19号が○○県を直撃して伸二の実家の古い家屋を全壊させた。元々危険家屋に指定された百年?近い家ではあったが、ほとんど柱だけ状態?になってしまい新築を余儀なくされた。

この自宅へ行き、早紀の故郷へ行き、遠方の妹夫婦の家へ行き、××(刑務所)へ行き、その帰りに××宮へ立ち寄り、たまに純子のアパートへ行き・・・

なんだかんだで時が過ぎ10月の産み月を迎える事になった。○○市の県立病院を選んでいた・・・。

××宮は、縁切りの神様とも言われている・・・


・・・・・?


つづく