死んでも終わらん(3
最近、
焼酎伸二?は酔っ払うとスキンシップをねだりながら眠りに落ちて行く、
また早紀はテレビと電灯を消して自分の部屋へ戻る。
ただし彼女がいつ部屋を出て行くのか伸二には分からない・・・その後彼女が何を考えていたのか彼は知らない。
伸二は11月で36歳になった、離婚歴1回?。
故郷の海風育ちの早紀には山間の冬が身体に合わないらしく、風邪が長引き欠勤が続く。
伸二が夜食の世話をする頃には元気なのだが、翌日になると一日中眠っている様だ。
そんな事が二度三度続きホテルから解雇予告を言い渡された。
12月のクリスマスイヴは二人でシャンパンを飲んだ、年末ぐらいは故郷に帰り父親の世話をしなければ、父ひとりでは何も出来ない!と別れを告げる早紀・・・。
また飲んで酔いがまわった、
この頃酔うとスキンシップを求めて来る伸二の心根を、知ってか知らずか早紀が突然、私を抱いてもいいよ!と言った。
そんなこと・・・酔っ払う前に言え!・・・
とは言いながら、
酔いのせいも有ってか
永い間の妄想を?
再現するかの様に
早紀を愛おしく抱いた。
避妊の事など、考える余地もなかった。
初めて早紀を抱いた。
しかし、伸二は夢を見ているのだと思っていた、
幸せの絶頂だった。
たとえ夢でも早紀の裸身は愛おしかった・・・
翌朝伸二が目覚めた時、傍で眠る早紀を見た。
まだ少し酔いも残ってはいたが、あれが夢じゃ無かった事を確信した。
昨夜のパジャマのままの早紀!、
酔い夢は、やっぱり夢の中の事 現実の事を熟年の土産にしたい もう一度?・・・
伸二は避妊具は持っていた・・・? 我に返ってもこの夢を、現実の事にしたいと願い最後の青春だとも思った。
もう一度改めて早紀を抱いた、夢の再確認が欲しかった。今度は避妊具を着けた(伸二には二度の水子が有った)。
早紀も目を覚ましたが拒まなかった、彼女も又、
昨夜の再確認をしている様に思えた。
そして年末の慌ただしい中、早紀は故郷へと帰って行った。
伸二は我が青春の最終最後の絶頂の思い出!として新年を迎えられる事、そしてこれまでの人生の新たなる修正となった事を手放しで喜んでいた。
幸せ薄い伸二にとって最高の殊勲賞だったのである。
つづく