わたしの原点。 | ほんとうの自分らしさに気づく  らしさナビゲーター難波響子のブログ

こんにちは!

らしさ&マネーデザイナーの難波響子です。

 

 

 今日は、わたしの原点とも言えるお話です。

(例によってまた話が長いから気をつけろ!)

 

 

わたしには

人生の恩師と呼べる人が1人いて

それは、大学時代にゼミでお世話になった

加藤典洋先生です。

 

 

 

加藤先生といえば村上春樹。毎年1冊はゼミで取り上げてました。

 

 

 

 

加藤先生は日本の戦後に関する論評が

有名な文芸評論家なのですが

 

 

当時、透明人間のように無気力に生きていた

学生のわたしにとって、そんなことは当然知る由もなく。

 

 

どのゼミに入ろっかな~

卒論が大変じゃないとこがいいな~

 

 

くらいな感じで、自分の入る

ゼミを探していました。

 

 

加藤ゼミは

「文学」を通して

国際的な視野を身に付けましょう

的なゼミだったんだけど

(ごめん先生、こんな説明しかできなくてチーン

 

 

 

加藤ゼミの紹介文には

こんなことが書いてありました。

 

 

★★★

 

 

たとえば「戦争」について

語り合うとき、ある若者が

 

「いや、戦争なんて、オレ関係ねぇし」

 

と言ったとして

有識者の方々は一斉に

 

「そんなのけしからん!」

「恥ずべきことだ!」

 

と、その若者を非難するだろう。

 

「歴史を学び、まず知ることから

はじめなさい」

 

と諭す人もいるかもしれない。

 

 

でも、果たして人はそんな風にして

突然戦争のことを考えたり、

社会のことを考えたりするだろうか?

 

 

そうではなくて

 

「いや、戦争なんて、オレ関係ねぇし」

 

と思ったのなら、それでいいんだと。

 

その思いこそが、その若者にとっての

考える起点になるべきだし、

そこからスタートしないと、自分と社会との

関係なんて結べるはずがない。

 

 

そういう風に考えられなければ、そもそも

「文学」なんてものは、死んでしまう。

 

 

 

★★★

 

 

 

当時の資料が手元にないので

だいぶ意訳していると思うけど

そんなようなことが書かれていました。

 

 

当時のわたしは

自分と社会が、まるで切り離されたような

存在に感じていたので、これを読んだとき

 

なんだかすごく

自分自身を肯定してもらったような気がして

 

ここにいけば

新しい何かが開けるような感じがして

わたしは加藤ゼミの扉を叩いたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

ゼミでは、毎回1冊の本をテーマに

発表チームがプレゼンをし、

それを受けて、ゼミ生みんなであれこれ

議論をするのですが

 

最初のうちは、わたし、

自分の意見を言うのが正直怖くって。

 

 

 

「こんなこと言ったら、笑われるかな」

 

「こういう風に言えば、

みんなからすごいって思ってもらえるかな」

 

 

本気で

そんなことばっかり考えてました。

 

 

ひどいでしょ?

「自分の意見を言う」って場なのに

自分の意識が、ぜんぶ外側にばっか向いているの笑い泣き

 

 

 

だけど、加藤先生はいつだって

誰のどんな意見も馬鹿になんかしなかったし

すっごく些細な意見も、丁寧に拾い上げて

更にそこから自分の考えを

掘り下げてくれたりもした。

 

 

 

そうやってゼミを繰り返していくうちに

少しずつわたしは自分の意見を

言えるようになったし

自分が、いかにこれまで

 

他人の意見や

世間一般の評価ばかりを気にして

 

 

自分が、どう思っているのか

自分が、どう感じているのか

 

 

それをことばにして発する、

という行為を、ずっと怠ってきたかに

初めて気付いたのでした。

 

 

 

それでね、

今でも忘れないんだけど

大学4年生のゼミのとき

 

 

村上春樹の「海辺のカフカ」

について議論していたときにね

 

 

 

 

 

 

いつものように

自分の意見を言う番がまわってきたんだけど

 

わたし、そのとき

自分で意見を言いながら

 

 

「あ、わたし、いま、

「自分のことば」を発している

 

 

って

初めて、からだの感覚としてわかったの。

 

 

からだ中を

電流が駆け抜けるような

 

からだの全細胞が、喜んでいる感覚

っていうのかな?

 

 

すごく刺激的で、

すごく感動的な瞬間だった。

 

 

・・・まぁ逆にいえば

それまでの21年間

 

一体わたしは何を語ってきたんだろう

どんだけ他人の意見を自分の意見かの

ように偽ってきたんだろう

 

って、そりゃあもう

大いに失望もしたけどね笑い泣き

 

 

 

でもきっと、あのときが

外側にばかり向けていた自分の意識を

自分の中心に向けてあげられた

初めての瞬間だったと思う。

 

 

 

それを、卒論のときにも

文章にして書いたんだけど、

それを読んだ加藤先生は

 

 

ほんとに、最初会ったときは

「この子どうしようかな」って思ってたけど

(↑思ってたんだねw)

 

ちゃんとゼミを通して自分が伝えたいこと

が伝わったのがわかってほんとうに嬉しい。

どうもありがとう。

 

 

って言ってくれたんだよね。

あのときは嬉しかったなー爆  笑ドキドキ

 

 

 

そこからわたしは

今から0歳時になったつもりで

 

 

自分は、こう思う

自分は、こう感じる

自分は、こう考える

 

 

を、最初からやり直そう。

 

 

自分のことばを、

自分自身の手で取り戻そう

 

 

って思ったんだよね。

 

 

 

 

だから今、

クライアントのみなさんに

 

 

響子さんは

すごくフラットな方ですよね。

 

とか

 

人の話を、ジャッジしないで

聞いてもらえるのがありがたいです。

 

 

とかってよく言われるんだけど

(そしてどうやったらそうできるんですか?

って聞かれて、うまく答えられなかったんだけど)

 

 

今思うと

それは「加藤ゼミ」で体験したあの感動が、

わたしの原点にあるからなのかな

 

って、思いました。

 

 

 

あなたが、何を感じても

あなたが、何を思っても

 

 

そしてそれがたとえ、

世間一般の常識からズレていて

批判されるようなことだったとしても

 

 

それがあなたの

本当の気持ちなんだったら

絶対に、絶対に、否定しちゃいけない。

 

 

むしろそこからはじめないと

あなたと社会との関係ははじまらないし

世界の問題を、自分事として

考えられるわけがない

 

 

 

その想いが

今の自分の原点なんだなぁって

思っています。

 

 

つづく。