先日ブログに書いた「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」という本を読みました。

本を読む前は、ランス・アームストロングは、体格と環境に恵まれた「選ばれた」アスリートかと思っていましたが、実際は少年時代に両親が離婚し、学校にもなじめず、自分で生計を立てていくための手段として、「自転車」に乗ることを選んだというのが意外でした。

決して恵まれた環境ではなかったにもかかわらず、次第にトップアスリートとして頭角をあらわしてきたランスの肉体と精神のタフさは常人を凌駕していることは明らかですが、こんな彼でも、自分が癌であるとわかったときには、失意のどん底に沈みます。

しかし、持ち前の精神力と、周囲のサポートもあって、奇跡的に癌から生還し、競技復帰後わずか1年にしてツール・ド・フランスで初優勝を成し遂げます。

初優勝を成し遂げるまで、ランスの内面は何回も「恐れ」に押しつぶされそうになるのですが、そのたびに「治療」であったり「トレーニング」であったりと、今の自分にできることを1つずつ着実にこなしていきました。

ランス・アームストロングほどの人物にも、やはり「恐れ」はあるのですね。

ただ、彼のすごいところは、「恐れ」で何もできなくなってしまうのではなく、「恐れ」を感じながらも、前に進むことをあきらめず、実際に1歩1歩前進し続けたというところだと思います。

ランス・アームストロングのように生きるのは難しいかもしれませんが、彼の生き様を知ることができただけでも価値がありました。