子どもの頃から本好きな人は
小学校高学年くらいになると
文庫本も読み始めるようになったと思う


私が最初に読んだ文庫本は当時大人気だった
薬師丸ひろ子氏主演映画の原作
赤川次郎氏のセーラー服と機関銃だった銃


私の読書にはそこから2つのルートが派生している
1つはその赤川氏からのミステリー方面
もう1つはコバルト文庫(集英社)路線だ
セーラー服と機関銃は角川だけど
赤川氏はコバルトからもたくさん小説を出していた
当時は赤川氏の文庫本はほとんど買って読んでいた右上矢印


ミステリーについては何回かブログに書いているし
コバルトについても新井素子氏については何回か書いた
コバルトは今は本好きの下剋上などの
ラノベにもたどり着いていると思う


そのコバルト路線のうち
新井氏に少し遅れて来たのが故氷室冴子氏だったニコニコ
最初の頃の少女小説ジャンルの話だけなら
たぶんそこまで読んでいなかったと思うが
学園もののクララ白書とその続編や
平安末期に書かれたとりかへばや物語
元にしたざ・ちぇんじ!
(男女が入れ替わって育てられた貴族の姉弟が
元の性に戻るまでの騒動を描いたラブコメディ)
富田靖子氏と仲村トオル氏でドラマ化もされた
なんて素敵にジャパネスクを読んでいたおねがい
※初巻はざ・ちぇんじ!の方が先


なかでもなんて素敵にジャパネスク
高貴な生まれながらお転婆の瑠璃姫が活躍する話で
平安時代の貴族の権謀術数や
恋愛がらみのミステリー仕立ての話が多くて
いつも続刊が出るのを楽しみにしていたラブラブ


特にようやく瑠璃姫と婚約者の高彬が結ばれた時には
友達と一緒に大興奮だった爆笑
※直接的なシーンは何もありません笑


それで終わりかと思っていたら
人妻編以降長編が始まり
ますます目が離せなくなった目


一番好きなのは吉野君(よしののきみ)という
幼馴染(筒井筒の仲)と再会する(だけじゃない)話で
これは今読んでも号泣する自信がある爆笑


このシリーズは全編マンガ化もされて
両方全て買い集めて
何度も読んでは泣いて笑っていた笑い泣き
私の平安文化の知識はほとんど氷室氏から得たものだ


氷室氏は2008年に肺がんで死去されているガーン
ジャパネスクは1991年に完結しているので
続きを期待しようがなかったけれど
未完の作品もありとてもショックだった


それでも好きな作品なので
電子書籍版がないか探したら
トリビュート版をこの度発見ひらめき電球
2018年に出ていたのねあせる
知らなかったーびっくり
でもそれだけ人気があったということだよねおねがい


短編だし内容ももちろん原作者にかなわないけれど
どれもジャパネスク愛に溢れていて
すごく懐かしかった照れ


特に最初の現代の話とラストのミニマンガに出てくる
高彬が瑠璃に向かっていう一言
ぼくで我慢しなよ」は原作一番、
いや各種ヒーローの中でも一番と言っても良いくらいの
名口説き文句ビックリマーク
言った高彬にも言われた瑠璃にも
深い思いがこもるこのシーン、思い出した照れ
※2人がここに至るまでには
もちろん長い年月がかかっています


瑠璃の初恋が昇華して
一つ、いや三つくらい大人になり
高彬の想いに気付き
少女時代との別れの場面のこのセリフ合格
ザ・スターダストメモリーである流れ星

我慢するって妥協じゃなくて成長だと思える
ほんっとに素敵なセリフラブラブ


瑠璃姫と吉野君との間には
幼くても2人だけの世界に生まれた
純粋な初恋が持つ力があった
本当の昇華は全編完了時なのだろうけれど
この「ぼくで我慢しなよ」で瑠璃は救われ
やっと成人女性としての時間が動き出すのだ


こういうスターダストメモリーなセリフは
女の子の成長物語には必要なシーンなのかも照れ


昔この話を読んだときに
吉野に桜を見に行ってみたいと思ったことを
本を結婚で処分してから
しばらく忘れかけていた


でも今回このトリビュートを読んで
あのシーンを思い出したら
行ってみたいとまた思うようになったキラキラ


私の中では満開ではなくて
舞い散る桜のイメージなのだけど
その桜の花びらの中に埋もれてみたい桜
そして「ぼくで我慢しなよ」を噛みしめたい爆笑
それが私から氷室氏へのトリビュート行為に
なるのではないかなと思う
※ほぼ自己満足の世界汗