「ザ・テノール 真実の物語」(2015年8月韓国公開・2014年8月日本公開)
ひさしぶりのユ・ジテです。
地味目の顔立ちですが、すっと立つ姿に目が離せなくなってしまう俳優さんです。
私のユ・ジテのイメージは…「春の日は過ぎ行く」でイ・ヨンエ演じる年上の離婚歴がある女性に恋をし、冷たくあしらわれてベッドでしくしく泣く姿と、葦原で風の音を録りながら微笑むラストシーンです(サウンドエンジニア役)。静のイメージです。
storyはとてもわかりやすく、天才オペラ歌手べ・チェチョル(ユ・ジテ)が絶頂期に甲状腺がんにかかり手術で声帯が傷ついたため声が出なくなってしまいます。絶望する彼に、彼の歌にほれ込んだ日本のプロデュース会社社長(伊勢谷友介)が声帯手術の権威を口説いて例がない機能回復手術を受けさせ、徐々に歌えるようになっていく…というものでした。ユ・ジテには朗々と歌い上げるイメージがないので私は違和感ありでしたが、1曲を除きベ・チェチョル本人の音源を使用しており、スクリーンでオペラを見ることがとても素晴らしかったです。映像も美しく、ややプロジェクトXノリではありましたが120分あっという間でした。スクリーンで観ることをお勧めする作品です。
そして涙腺の大掃除でした。ユ・ジテの涙はなぜこんなに心に響くんだろう。アップになっても小さな目なのに。。作品中使われる韓国語は1割未満でした。英語と日本語が多くて、韓国語シーンになるとほっとしました。

さて今回は韓国文化院の上映会で、しかも上映後にべ・チェチョル氏トークショーがあるというもの。社長本人も登場。そして…そこで展開されるまさかのイタリア語会話(笑)。チェチョル氏と社長の共通語がイタリア語なんですと…。チェチョル氏の韓国語トークが展開されると思っていたのでびっくりでした。ここは韓国文化院…。そして社長がしゃべることしゃべること…。音楽のことはよくわからないのでわかる部分を書くと、この作品が韓国上映された際カットされたシーンが6分あったこと。日本人がチェチョル氏のために最善を尽くした、社長としてはとても重要なシーンであったこと。カットされた理由は、親日作品と思われると観られなくなる人が出る可能性があること。何故そんな配慮が必要かというと昔日本人が韓国人をいじめたことが根源にあること。それを認識した上で仲良くしていかなといけないということ…上手くしめましたね。。執刀された一色京大名誉教授も会場にいらしていて途中からトークショーに加わってくださいました。

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