その時、お義母様とこのあたりでは少し有名な花屋さんに行き、いくつか花を買ってきたんです。
主だって購入した花はネイビーブルーやパープルやホワイトのロベリア。
それともう花が終わって葉っぱだけになった碇草。
私、好きなんです、碇草って。
花が船の碇の形に似ているから碇草っていうんですけどね、私にはどうしても白鳥のように見えて。
冬の澄んだ空を悠々と泳ぐように飛ぶ白鳥。
葉っぱだけになっていてもしっかりとポットに根付いて生きる碇草を見つけて
私なりに復興の思いを込めたつもりでした。
来年咲きますように。
絶対絶対元気に咲きますように。
想いをこめて、
花壇に苗を植えたんです。
それが昨日ね

いっせいに咲いたんですよ。
可愛らしい花。
私の、復興の花。
私の生まれ育った街は何もなくなってしまいました。
思い出を、人を、波がさらっていきました。
街は今も瓦礫撤去がなされただけです。
一年と少し前にはたくさんのひとが住んでいた場所が、です。
復興って一体なんなんでしょう。
それでも、わずかずつ、微かに、確実に
ひとの心も街も癒えていくと信じたい。
そう願いながら、
碇草を見つめると昨日の少し強い風にその花は揺れたのでした。
